もうやっちゃった……?
地球温暖化や暖冬が叫ばれてはいたものの、やっぱり厳しい冬の寒さはやってくるものです。でも、冬空から落ちてくる雪を見ると、なぜかうれしくなってしまうという人は少なくないかも。白く舞い散る雪はきれいでロマンチックに映りますし、そのままシロップをかけて食べてしまいたくなることもありませんか?
とはいえ、現実は厳しいものです。地面に落ちる前の雪を口に含むのは、無害で美味なイメージがあるのは、あくまでもイメージだけのようですよ。例えば、米国ワシントン大学が北米で幅広く実施した調査によると、空から落ちてきた雪片には、石炭の煤煙と塵埃が、必ずといってよいほど含まれていることが判明しました。都市部から遠く離れた、山間部に降る雪であればきれいに思えますが、やはり汚染度は無視できないレベルにあったそうです!
そうはいっても、冷たい雪を口に含むと、なんだかさわやかになったように感じるのが自然な反応かもしれません。ちょっとだけならいいでしょう? 子どもたちの夢を壊したくないものですが、緊急事態でも最後の手段にしてほしいと、米陸軍の発行するサバイバルガイドには記されていますよ。
同サバイバルガイドによれば、雪山で遭難し、水分補給が必要になったとしても、積もった雪を食べて水分を取ろうとするのは考えものなんだとか。予想外に体温が下がったり、かえって身体が乾燥してしまったり、口内に凍傷を起こしたりする危険性が指摘されています。人里離れた北極圏の雪であったとしても、どうしても口にしたい時は、まずは溶かして水にし、絶対に一度煮沸してから飲むことを心がけるように指示されていますね。
幻想的な雪の降る光景。しかしながら、ゆっくりと落ちてくるぶんだけ、雨滴よりも汚染度がひどいとされる雪の実態を知ると、なんだか興ざめしてしまいそうです。残念ではありますが、空から落ちてくる雪をペロリとしたい気持ちは抑え、そっと眺めるだけにしておいたほうがよいのかも~。
image: Zaikina / Shutterstock
Ria Misra - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)