囲碁でプロ棋士に初勝利=グーグル、コンピューターで | ニコニコニュース

 米IT大手グーグルと英グーグル・ディープマインド社の研究チームはコンピューターの囲碁プログラム「アルファ碁」を開発し、2013〜15年の欧州チャンピオンのプロ棋士と対戦して5戦全勝したと、27日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 プログラムが、正式なフルサイズ碁盤の囲碁で人間のプロ棋士に勝ったのは初めてで、市販の主要な囲碁プログラムとの対戦では勝率99.8%を誇るという。同誌によると、3月には世界最強と呼ばれる韓国のプロ棋士に挑戦する予定。

 古典的なボードゲームでは、1997年に米IBM社のコンピューター「ディープブルー」のチェスのプログラムが、当時世界王者のガルリ・カスパロフ氏(アゼルバイジャン出身)に初めて勝ったことが知られる。

 縦横19本ずつの線の交点に碁石を置き、相手より陣地を多く取る囲碁では膨大な計算が必要となり、プログラムがプロ棋士に勝つにはあと10年程度かかるとみられていた。研究チームは碁盤上の自分と相手の碁石を評価し、今後打つ手を選択する計算手法をそれぞれ改良、計算量を大幅に減らした。

 ボードゲームのプログラム開発成果は人工知能(AI)を向上させ、さまざまな産業応用が期待できる。日本では情報処理学会が日本将棋連盟の協力を得てコンピューター将棋プロジェクトに取り組み、実力がトップレベルのプロ棋士に追い付いたとして、昨年10月に終了宣言を行った。