【アニソン】これ、知ってる? 『キン肉マン』『うる星やつら』…有名アニメの“隠れた名曲”5選 | ニコニコニュース

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時代を超えて輝き続ける名作アニメの主題歌。放送終了から数十年の時を経ても、CMソングとして使用されたり、カラオケの定番曲になったりで、世代に関係なく愛される名曲がアニメソングの世界には沢山あります。

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しかし、そうした名曲が強い光を放ち続けるが故に、その陰に些か隠れてしまいがちな、いわば"準メジャー"的なポジションに甘んじてしまっている裏の名曲も沢山あるのです。

そこで、同じアニメ作品に使用されながらも、アニメ主題歌として広く知られている超メジャー曲ではない……いわば、"じゃない方のアニソン"にフォーカスし、その魅力をタップリと語ってみたいと思います!

『キン肉マン』の『キン肉マンGo Fight!』じゃない方!
『キン肉マン旋風(センセーション)』

『週刊少年ジャンプ』で連載されていた大人気漫画をアニメ化した『キン肉マン』は、1983年にテレビ放映をスタート。玩具のゴム人形「キン消し」もアニメの人気と併せて大ヒット商品となりました。

何をやってもダメダメなヘッポコ超人のキン肉マンが、ハチャメチャなプロレスバトルや仲間たちとの友情を通して成長し、やがて、正真正銘の"スーパーヒーロー"になっていく姿が胸を熱くさせる名作『キン肉マン』。

その主題歌といえば、何といっても『キン肉マンGo Fight!』です!

ヒーローの真理を巧みに突いた「ああ、心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ」という秀逸なフレーズが心に響く森雪之丞先生による歌詞と、串田アキラさんのソウルフルな熱唱が生み出す強烈なグルーヴ。『キン肉マン』の作品性を雄弁に物語る、まさに名アニソンですよね。

一方で、そんなアニソン史に残る大名曲と同じく、ご紹介したい曲が『キン肉マン旋風(センセーション)』です。

この曲は、『キン肉マンGo Fight!』『炎のキン肉マン』に続く、『キン肉マン』オープニング主題歌第三弾。前の二曲と同じく、森雪之丞作詞、串田アキラ歌唱という最強タッグが参加した曲となっています。

しかしながら、どうしても『キン肉マン旋風』には地味なイメージが付きまといます。何故なら、この曲は、アニメ版オリジナルのエピソードが続く番組の終盤で使用されていた主題歌なのです。

超人オリンピック編や7人の悪魔超人編、夢の超人タッグ編といった原作エピソードを消化した後にスタートしたオリジナル編ですが、それまでのストーリーに比べると、正直、ファンからの評価も低く、忘れられがちなエピソードとなってしまっています。

ウォーズマンにバッファローマン、アシュラマンに悪魔将軍といったライバルキャラの存在は知っていても、余程コアな『キン肉マン』ファンでなければ、ヤマカーンやダーティバロンのようなアニメ後期に出てきたオリジナル超人の名前は知らないと思います。それと同じく、主題歌である『キン肉マン旋風』の知名度もやや低調気味となっている印象が……。

とはいえ、『キン肉マン旋風』も『キン肉マンGo Fight!』や『炎のキン肉マン』に負けず劣らず、胸に響く熱を備えていますし、串田さんの歌も、熱量が凄いです! こちらの曲もチェックしていただければと思います! へのつっぱりはいらんですよ!

『CITY HUNTER』『うる星やつら』の隠れ名アニソン

『CITY HUNTER』の『GET WILD』じゃない方! 『RUNNING TO HORIZON』

裏稼業に生きる主人公のハードボイルドな活躍を描いた北条司先生の代表作『CITY HUNTER』。

ハイテンションな下ネタを交えたギャグシーンと、アダルティーな雰囲気が漂うアクションシーンの配分が絶妙で、2000年代に入ってからもリメイク作の『エンジェル・ハート』がスタートするなど、現在進行形で様々な展開をしている作品です。

『CITY HUNTER』のアニメ版には、主題歌を手掛けるアーティストとして、小比類巻かほるさんや岡村靖幸さん、TM NETWORKといった有名ミュージシャンが参加。豪華アーティストが揃った楽曲は、何れも人気が高く、それらを集めたコンピレーションアルバムも後にリリースされています。

そんな名曲揃いな『CITY HUNTER』主題歌の中でも、その代名詞的な楽曲となっているのがTM NETWORKの『GET WILD』でしょう。

ソリッドな描写が続く歌詞とデジタルサウンドの融合が何とも印象的なこの曲は、『CITY HUNTER』という作品の雰囲気にもピッタリ! まさに、80年代を代表するアニソンの一つですよね。

しかしながら、今回は敢えて、この『GET WILD』"じゃない方"の主題歌である『RUNNING TO HORIZON』に注目してみたいと思います!

この曲のどこに注目かというと、何といってもヴォーカルです。第三期作となる『CITY HUNTER 3』のオープニング曲として使用されていたこの曲を歌っているのは、何と、TM NETWORKの小室哲哉さん!

後に、超売れっ子プロデューサーとなる"TK"こと小室哲哉さんのソロデビュー作となるこの曲。TKのソロシングルでヴォーカル曲って、何気にレアな気がしますよね。

ただ、『RUNNING TO HORIZON』も残念ながらシリーズの後期に使われた楽曲であり、更に、『CITY HUNTER 3』自体の放映期間も短かった為に、『GET WILD』に比べると哀しいかな、認知度では後塵を拝してしまっている気がします。

しかしながら、これがTKサウンドバリバリのシンセポップで、とにかくカッコ良い曲なんです! また、その個性的なヴォーカルも一度聴いたら耳に残ること必至です。

『CITY HUNTER』ファンからは、小室さんの歌唱力に対してやや辛口の評価が付くことも多いのですが、TM NETWORKでヴォーカルを務めた宇都宮隆さんの力強い声に比べると、線の細さこそ否めないものの、だからこそ小室氏の歌声がこの曲に唯一無二の個性を与えているように思います。

作詞に小室みつ子さん、作曲、小室哲哉さんという『GET WILD』と同じクリエイターが揃いながらも、ヴォーカリストの違いと放送時期のタイミングで大きな差が出てしまった『RUNNING TO HORIZON』。名作アニメにおける、影の主役として、一度、聴いて欲しいナンバーです!

『うる星やつら』の『ラムのラブソング』じゃない方! 『星空サイクリング』

高橋留美子先生の代表作の一つであり、ラブコメの金字塔的な作品となっている『うる星やつら』。

アニメ版も長期シリーズとなり、劇場映画も製作される程の大人気に。特に劇場版二作目の『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』は、アニメファンからの評価も高く、今も尚、アニメ映画史における不朽の名作として支持されています。

そして、『うる星やつら』の主題歌といえば、やっぱり『ラムのラブソング』!

「あんまりそわそわしないで」「好きよ…好きよ…好きよ…(ウッフン)」という愛らしくも艶っぽい歌声が印象的なこの曲は、様々なアーティストにカヴァーされ、また、CMソングとして幾度となくリメイクされる等、現在まで歌い継がれるアニソンとなっています。

ただ、『うる星やつら』には、この曲以外にも素晴らしいナンバーが沢山あるのです! そんな楽曲の中から、今回は、『星空サイクリング』をご紹介させていただきます。

番組のエンディング曲として使用されていた『星空サイクリング』は、80年代のテクノポップを代表する楽曲の一つでもあります。寧ろ、アニメファンよりもテクノポップファンからの評価が高い曲かもしれません。

歌っているのは、ヴァージンVSというテクノポップなニューウェーヴバンド。実は、このバンドは、『赤色エレジー』のヒットや、『僕は天使ぢゃないよ』『オートバイ少女』といった映画作品の監督としても知られる異色のフォークシンガー、あがた森魚さんが結成していたバンドなのです。

80年代に、あがたさんがニューウェーヴに接近し、生み出された『星空サイクリング』。そんな尖ったミュージシャン、バンドが音楽面をバックアップしていた点も『うる星やつら』の見逃せないポイントといえます。

また、ヴァージンVSには、あがたさんの他にも80年代のジャパニーズテクノポップを代表する重要人物の一人であるライオン・メリィ氏が参加していたり、『ラムのラブソング』の作曲者である小林泉美さんは、ドイツのニューウェーヴシーンを象徴するミュージシャン、ホルガー・ヒラーと接点を持っていたり……と、『うる星やつら』には、テクノポップにまつわるコアなネタが沢山あります。

80年代という時代性も手伝い、ピコピコしていたり、ニューウェーヴだったりな楽曲が沢山ある『うる星やつら』。その周辺情報を調べていくと色々な音楽トリビアに出会えます。『星空サイクリング』は、そんな作品の音楽性を象徴するナンバーであり、『うる星やつら』における裏番長的な楽曲だと思うのです。

『北斗の拳』『新機動戦記ガンダムW』の隠れ名アニソン

『北斗の拳』の『愛をとりもどせ!!』じゃない方! 『SILENT SURVIVOR』

武論尊先生原作、原哲夫先生作画の強力タッグによって生まれた傑作格闘バイオレンスアクションといえば……そう! 勿論、『北斗の拳』です!

核戦争後の荒廃した世界を舞台に、主人公、ケンシロウが究極の人体破壊格闘術"北斗神拳"を武器に、無法状態の乱世を生き抜く姿を描いた、これまたジャンプ黄金時代における大ヒット作の一つ。

時に無力な人々を蹂躙する巨悪に対して正義の鉄槌をくだし、時に自身と同じ拳の達人との戦いを通して漢の熱い生き様を描く『北斗の拳』は、その物語が完結した後も、アニメや漫画、ゲームに遊技機といった様々な媒体で、多数のスピンオフ作やリメイク作、パロディ作を生み出し続けています。

そして、『北斗の拳』の主題歌と言われて、誰しもが即座に思い浮かべるのが「YouはShock!」という歌い出しのフレーズもインパクト大なクリスタルキングの『愛をとりもどせ!!』、或いは、テレビアニメ版二作目のオープニング曲であるTOM★CATの『TOUGH BOY』でしょう。

しかしながら、『北斗の拳』主題歌における、この二大名曲の陰に隠れた"じゃない方"のオープニング曲があることを皆さんは、ご存知でしょうか?

それが、第一期のテレビシリーズ後半の主題歌として使用されていたKODOMO BANDの『SILENT SURVIVOR』!

本格的なバンドサウンドとハードボイルドな歌詞が持ち味の楽曲なのですが、如何せん、アニメの終盤で使用された楽曲の為に『愛をとりもどせ!!』に比べると放映された期間も短く、尚且つ、ちょっとダークで暗い曲調も手伝って、『北斗の拳』の主題歌としては、ちょっとスポットライトが当たりづらい曲になっているように思います。

大人になった今、聴き返してみると、ロックテイストに溢れたカッコ良いナンバーだと分かるのですが、子どもが聴くにはちょっと暗過ぎたのかもしれません……。大人になった今だからこそ聴き返したい"じゃない方"アニソンだと言えるでしょう。

ちなみに、この曲を歌っていたKODOMO BAND(子供ばんど)のヴォーカリストは、現在では俳優としてもご活躍されている、うじきつよしさん。うじきさんは、実は『TOUGH BOY』のプロデューサーを務めていたりと、何気に『北斗の拳』との関わりが深い方でもあります。有名俳優のちょっと意外な過去ですよね。

その辺りのコクと深みも、『SILENT SURVIVOR』を聴く際には感じていただきたいです!

『新機動戦記ガンダムW』の『JUST COMMUNICATION』じゃない方!
『RHYTHM EMOTION』

『キン肉マン旋風』や『SILENT SURVIVOR』の例を見ても分かるように、アニメの最後期に使用された主題歌は、それまでの楽曲に比べると、どうしても印象が薄くなってしまい、ちょっと不遇な扱いを受けてしまうことが多い気がします。

90年代のアニメを代表する一作であり、OVAや劇場版がリリースされるなど、90年代のガンダムシリーズで高い人気を誇った『新機動戦記ガンダムW』にも、そんな楽曲が存在しています。

それが、物語のクライマックスを彩った『RHYTHM EMOTION』です。

この曲は、初代のオープニング曲である『JUST COMMUNICATION』を歌っていたTWO-MIXが続けざまにリリースした主題歌第二弾。セールス的には、『JUST COMMUNICATION』を上回る売り上げを叩き出し、大ヒットシングルとなったものの、そのセールスに反して、"アニメ主題歌"としては、初代のオープニング曲に比べるとちょっと印象が薄くなってしまっている曲ではないかと……。

それもそのハズ、この『RHYTHM EMOTION』は、主題歌としては二ヶ月程しか使用されなかった曲なのです!

1クールのアニメ作品や、放送時期を分けて放映する"分割2クール"といった放送形体が一般的になっている現在とは違い、90年代は、まだまだ半年から一年という長期間に渡ってアニメが放映されていた時代。

『新機動戦記ガンダムW』も全49話というエピソードが設けられているのですが、オープニング曲が『JUST COMMUNICATION』から『RHYTHM EMOTION』に切り替わったのは、ストーリーもいよいよ大詰めを迎え始めた第41話から。

その為、『RHYTHM EMOTION』は前作より高いセールスを挙げ、更に、これまた前作に負けず劣らずロックテイストに溢れた打ち込みサウンドがカッコ良い名曲であるも関わらず、『JUST COMMUNICATION』よりも印象が薄くなりがちなアニソンだと思うのです。

そういう意味では、使用された時期によって、少し損をしてしまった曲といえるかもしれません。とはいえ、曲自体は、物語のクライマックスを更に盛り上げる、大きなドラマ性に満ちた良曲ですよ!

ちなみに、TWO-MIXの正体は、声優の高山みなみさんによる覆面ユニット。『機動戦士Vガンダム』以降の平成初期ガンダムテレビシリーズ直撃世代な人なら常識かと思いますが、年若いアニメファンの為に、念の為にご説明をば。

如何だったでしょうか? いずれも本当にカッコ良いナンバーばかりですので、アニメ本編で、或いは、CDやダウンロード購入で、ご一聴をいただき、今こそスポットライトをあてていただければ幸いです!