でも「脳のせい」ってあきらめないで!
英語、というか外国語って、得意な人と苦手な人がいますよね。新たな研究によると、その違いは脳、それも脳の中の部分と部分のつながり方にあるのかもしれません。
最新のJournal of Neuroscienceに掲載された論文では、言語習得のカギは脳の特定の部分同士のつながりにあると言っています。Science Dailyによると、脳の部位同士は人間が何もしていないときにもお互いにコミュニケーションをとっていて、そのつながりは「安静時接続性」と言われます。その接続性の強さは人によって違い、これまでにも言語能力の個人差と関連付けられてきたそうです。
そこでXiaoqian Chaiさんらの研究チームは、英語ネイティブでこれからフランス語の集中コースを受ける人たち15人を対象に実験を行いました。コースの前後に被験者の脳をfMRIでスキャンしてそれぞれの人の脳の安静時接続性を調べるとともに、彼らのフランス語上達度をチェックしたんです。フランス語上達度は、スピーキングの流暢さと、リーディングの速さというふたつの尺度で調べました。
その結果、左前部島皮質・前頭弁蓋(AI/FO)という部分と、左上側頭回という部分の接続性が強い人は、コース修了後にスピーキングのテストで良い結果を出すことができました。また視覚性単語形状領域(VWFA)という部分と左上側頭回の別の部分の接続性が強い人は、リーディングの速度が他の人より大きく進歩しました。つまり、個人個人の脳の作り次第で、外国語の習得度に差が出ていたということです。
でもだからって、脳のつくりが外国語向きじゃない人はあきらめろという話でもないようです。研究を率いたChai氏は、脳は非常に柔軟なので、学習や経験によって変わってくるのだと言っています。
Chai氏はさらに、この研究は第一歩に過ぎないとして、「長期的には、これがより良い学習法の開発に役立つかもしれない」と言っています。脳の作りが向いてないからダメ、ってことじゃなくて、ひとりひとりの脳に合わせた勉強法があったりするかもしれませんよね。
image:dierk schaefer
source: Science Daily
(miho)