管理職約5000名のストレスチェックから見えてくる、女性管理職が抱える課題 | ニコニコニュース

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ピースマインド・イープは1月28日、女性管理職のストレス傾向の分析結果を発表した。

同調査は、同社の調査・研究機関である国際EAP研究センターが2015年4月~12月にかけて、同社のストレスチェックを行った団体から抽出した管理職5368人(男性5158人、女性210人)を対象に実施したもの。

調査の結果、男性管理職と女性管理職とでストレス度を比較したところ、男性管理職を1とすると女性管理職は1.1を越えており、女性管理職の方が男性管理職よりもストレス度が高かった。

また、管理職におけるストレス度と関連の強いストレス要因を抽出すると、「ワークセルフバランス・ポジティブ」と「職場での対人関係」が、男女問わず関連の強い要因として抽出できたという。

「ワークセルフバランス・ポジティブ」は、仕事でエネルギーをもらって自分の生活をさらに充実させることができること、「職場での対人関係」は、部署内での意見の相違や部署同士の対立など対人関係に関する負担が大きいことを示している。

男性管理職では「仕事のコントロール」「情緒的負担」「役割葛藤」など主に仕事上の要因が上位となったが、女性管理職では「キャリア形成」「個人の尊重」「公正な人事評価」といった組織体制・風土に関する要因が上位に挙がっている。

また、「キャリア形成」「個人の尊重」「公正な人事評価」といった特に女性管理職のストレス度と関連の強いストレス要因と、ストレス度の関係を分析したところ、これらのストレス要因を負担に感じている女性管理職のストレス度は、そうでない女性管理職と比較して約2倍だったという。

これらの結果から同社は、女性が管理職として働きやすい職場作りを進めるためには、会社として女性管理職向けのキャリア教育、全社的なハラスメント防止教育、女性管理職の上司となる幹部層に対するコミュニケーション研修などに力を入れていくことが必要と考えている。

また、現状の日本企業においては社内に女性管理職のロールモデルや相談相手となれる存在が不足していると見ており、キャリアに関する悩みや育児・介護などのプライベートな悩みを相談できる専門機関を利用することも有効と提言する。

(山本善之介)