つり革が盗まれた東京急行電鉄の電車内(同社提供)
共同通信社

 首都圏の大手私鉄やJRで電車のつり革の盗難が多発し、被害は昨年11月以降、少なくとも約400本に上ることが31日、鉄道各社への取材で分かった。「これほどの規模の盗難は聞いたことがない」(私鉄広報担当者)という異常事態に、各社は車内や駅の巡回を強化、車内アナウンスでも情報提供を求めている。

 広報担当者は「盗んで何に使うのか分からない。お客さまが困るのでやめてほしい」と訴える。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは「転売してもそれほど値の付く物ではなく、いたずらか、騒ぎになることを考えての行為ではないか」と推測している。