「アイドルマスター」シリーズの開発を総合ディレクターとして約10年にわたって手がけてきた石原章弘さんが、1月31日付でバンダイナムコエンターテインメントを退社した。アイマス公式サイトのブログで石原さんが明らかにした。
石原さんは2005年発表のアーケード版「THE IDOLM@STER」以来、シナリオを含むゲーム開発からライブ構成まで手がけ、ファンの間では公式サイトの“ディレ1”としても知られていた。
石原さんはアイマス公式サイトに寄せた「プロデューサーの皆様へ」という報告で、「懲戒解雇、喧嘩別れ、何か不祥事をやらかしての退職だったり、肩叩きにあったり、行き場を失ったりといった、追い詰められての退職ということでもなく、病気だったりといった健康的な理由でもありません。今回の件は自分で決めて、会社に報告し、そして、会社に認めて頂いた円満退職です」と説明している。
退社理由として「割と大きな理由の1つに『自分の理想のIPの姿を見たい』というものがあります」「”石原がいなくなっても続いていく『アイドルマスター』”こそが、自分の考える強いIPの姿の一例です。(これは別に「石原が」ということに拘っている訳ではなく、究極的には、スタッフの誰がどうなろうとも続く、ということです)」と説明。「個人の意思ではなく、大勢の意思の力で動き始めた瞬間、その作品はある種、誰のものでもなくなり、永遠に近い命を手に入れるのだ、とも思うのです」と、持続可能なコンテンツとしてのアイマスに期待している。
「石原がいることで、新しいモノがうまれる可能性を妨げる方がイヤだったので、スッパリと総合ディレクターを辞めることに決めました。勢いで会社まで辞めてしまいましたが(笑)」
アイマス総合プロデューサーの坂上陽三さんは「『なぜ引き止めないの?』と思われるかもしれませんが、それは才能のあるクリエイターをひとつの会社に閉じ込めてはいけないなあという思いがあるからです。可愛い子には旅をさせろです。確かにそういう時期なのだろうと思いました」と旅立つ石原さんにエールを送っている。「総合ディレクターのポジションは永久欠番とします(笑」という。