科学では説明がつかない超常現象に、アメリカ連邦捜査局(FBI)の捜査官が挑むというストーリーで人気を博したSFテレビドラマ『Xファイル』。初期のシリーズは日本でも放送されていたため、視聴していた読者も多いだろう。
そんな『Xファイル』の14年ぶりとなる新シリーズの放送が、先月24日に米国で始まった。これに際し、製作総指揮を執るクリス・カーターが、自身とFBIの関係について「HuffingtonPost」に語っている。
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■真実に近づきすぎて警告を受けた?
「シリーズの放送中、とある政府の秘密機関で上級職についているという人物からコンタクトがあったんだ。その人が言うには、われわれは“真実”にかなり近づいていたらしい」
こう語るカーター氏、その人物が何者かはわからないままだったようだ。そして次のように続ける。
「それが本当かどうかはわからないけど、ひとつ言えることは、この作品のパイロット版を作っていたときに、FBIに連絡してリサーチをしていたんだ。彼らの対応は悪くなかったけど、実際のところ、全然相手にされてない感じだったね」
「でも、放送が近づいたある日、FBIから連絡が来て、『お前は何者だ、何をしているんだ』って言われたんだ。これは、政府が自分を黙らせに来たのかと思ったよ」
最初は相手にされていなかったカーター氏であったが、知らず知らずのうちに真実に近づきすぎてしまったのだろうか。作品の中では異星人の存在や、政府の陰謀に触れていたため、ついにはFBIから直接圧力を受けることになってしまった。しかし、意外なことに、彼らも徐々に作品を気に入り、今では良好な関係を築いているという。
「彼らは非公式の『Xファイル』ファンになったよ。私もFBIアカデミーで行っている市民講座に参加して、FBIの人々と一緒に銃を撃ったりする機会があった。ワシントンのFBI本部で数ラウンド撃ったよ」
■製作者はコンタクティではなかった
作品の中ではさまざまな超常現象や、人間ではない何者かと対峙する場面があるが、製作するカーター氏自身も奇妙な経験をしたことがあるのだろうか。
「UFOを見たり、来訪されたことはないね。なんとなく異常な出来事に遭遇した経験はあるけど、まだ『I WANT TO BELIEVE(私は信じたい:劇場版第2作の副題)』の段階かな」
意外にも冷静な答えをするカーター氏であるが、新シリーズがはじまったタイミングでFBIとの関係を告白する当たり、抜目がない。また、放送を祝福するかのように、CIAもUFOに関する機密資料を、『Xファイル』になぞらえながらウェブ上に公開し、UFO研究界隈は盛り上がりをみせている。
新シリーズの日本での放送はまだ決まっていないが、放送されるとなれば、日本でもまた超常現象ブームが起きるかもしれない。
※イメージ画像:「Thinkstock」より