認知症患者の事故をめぐる訴訟の上告審弁論が開かれた最高裁第3小法廷=2日午後
共同通信社

 認知症の男性=当時(91)=が徘徊中に電車にはねられ死亡した事故をめぐり、運転停止に伴う損害を被った鉄道会社に対し、遺族が賠償責任を負うかどうかが争われた訴訟の上告審弁論が2日、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)であり、結審した。小法廷は判決期日を3月1日に指定。認知症患者を抱える家族の監督責任について初判断を示す見通し。

 一、二審判決によると、亡くなったのは愛知県大府市の男性。認知症が悪化し「要介護4」と認定されていた。2007年12月、当時85歳の妻がうたた寝をしたわずかな隙に外出し、大府市のJR共和駅構内で電車にはねられた。