ゲームの中には、複雑に伏線の張られた作品が数多くあります。しかし、その伏線を上手に回収したと思えるものは残念ながらそこまで多くありません。ほとんどは無理やりだったり、回収せずに放置というケースもあったりします。そこで今回は、伏線の回収が見事だったゲームをピックアップしてご紹介します。
●『街 ~運命の交差点~』
1998年に発売されたセガサターン用ソフト。実写の静止画を背景に、表示されたテキストを読み進めていくサウンドノベルというジャンルのゲームです。プレーヤーは8人の主人公の物語を交互に読み進めながら、それぞれのシナリオがバッドエンドにならないように適切な選択肢を選んでいきます。しかしそれぞれのシナリオが複雑に絡み合っており、片方を解決すれば一方で問題が起こったり、難易度も高め。また何気ない一言や背景の人物が後の重大な伏線であるなどしました。そのため、全ての問題が解決したときのカタルシスは格別です。
●『Steins;Gate』
2009年に発売されたXbox360用のアドベンチャーゲーム。現代日本の秋葉原を舞台に、主人公の岡部倫太郎が並行世界を次々に渡り歩き、自分に課せられた過酷な運命に立ち向かいます。プレーヤーは彼の行動を選択して物語が進むことになりますが、アドベンチャーゲームらしく、数多くの伏線がちりばめられており、それを一つずつ解くことでトゥルーエンディングに近付いていきます。終盤の一気に伏線が回収され、謎が解けていくシーンでは、時間を忘れて読み進めてしまうことでしょう。
●『ペルソナ4』
2008年に発売されたPlayStation2用のRPG。家庭の事情で、都会から叔父の住む地方都市に1年間だけ住むことになった主人公が、そこで出会った仲間たちと街で起こる連続殺人事件の犯人、そしてその背後の黒幕を追います。殺人犯を追うストーリーだけに、終盤では真犯人にたどり着くことになりますが、その伏線を思い返すと「そうだったのか!」となること必至です。また、物語の真の結末に至る過程でも、思いも寄らない伏線の回収があり、これも驚くべきものでした。
●『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』
2012年に発売されたニンテンドー3DS用のRPG。主人公のティズは、クリスタルのみこのアニエスと共に、世界を救うために旅に出ます。一見するとオーソドックスな世界を救う系のRPGに思えますが、実はとんでもなく伏線だらけの作品。しかもその伏線を回収するためにはかなり「面倒」な作業を、プレーヤーに押し付けます。しかしその過程を抜けてたどり着く先では、「なるほど、こうだったのか」となること必至です。プレー開始直後のARマーカーも見逃せません。
●『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』
1993年に発売されたドラゴンクエストシリーズの第5作。RPGの中では珍しく、物語の中で主人公は幼年から青年へと成長し、結婚、そして子供をもうけることになります。「親子3代」にわたる壮大な冒険の中で、主人公は自分に課せられた過酷な運命と対峙(たいじ)していきますが、伏線の回収が素晴らしく、そうだったのかと感心してしまいます。特にゴールドオーブにまつわる伏線回収は、うるっとしてしまうこと間違いなしです。
他にも見事に伏線が回収されたゲームはありますが、今回はこの5本をピックアップしてみました。初見だとどれも驚く見事な伏線回収ばかりです。機会があればぜひプレーしてみてください。
(中田ボンベ@dcp)