紙の出版文化が日本ほど強くない韓国では、日本の書籍が大人気。毎年、ベストセラーランキングには、日本の書籍が必ずといっていいほど登場する。無論、マンガも例外ではなく、韓国の書店に行けば日本のマンガ作品の翻訳本や原書が所狭しと並んでいる。
そんな韓国で、独自のマンガ文化が根付きつつある。縦スクロールで読むウェブマンガ、いわゆるウェブトゥーンだ。ウェブトゥーンサービスとしては、日本でも有名なLINEの親会社・NAVERが運営する「NAVERウェブトゥーン」などがある。
韓国のウェブトゥーン業界では近年、大人向けマンガ作品が充実し始めている。これまで「マンガは子どもが見るもの」というのが韓国の常識だったが、ウェブトゥーンは成年層も取り込み、大きな市場に変化しつつある。
社会的影響力が大きくなれば、当然、業界のスターも登場することになるのだが、最近話題を集めているのが、美少女マンガ家たちの存在だ。
中でも有名なのが、“4大美女マンガ家”だ。彼女たちの作品はもちろん大人気なのだが、最近ではその私生活にも注目が集まり始めている。メディアにも引っぱりだこで、アイドルや女性芸能人顔負けの活躍といっても過言ではない。チェ・ピプピャプさんに至っては、韓国における理系大学の最高峰、KAIST(韓国科学技術院)に在籍していたこともあるとの情報もある。そんな「才色兼備の女性が、なぜマンガ業界に?」という、彼女たちを取り巻くミステリアスな疑問が、人々の関心をさらに惹きつける要因のひとつにもなっている。
4人以外で美女マンガ家と呼ばれる女性には、『チーズ・イン・ザ・トラップ』のスンキーさんがいる。彼女のマンガは日本の一部でも知られており、韓国ではすでにドラマ化された。また、彼女たちの作品の中には紙の書籍として発売されたものもある。日本の背中を見て学んできた韓流マンガは、“マンガ界の女神たち”の登場で新たな次元に突入するのだろうか。彼女たちの今後の活躍が期待されている。
(取材・文=河鐘基)