米クアルコムは11日(現地時間)、メインストリーム帯向けSoC「Snapdragon 625」、「Snapdragon 435」および「Snapdragon 425」を正式に発表しました。
プレスリリースによると、今回発表された3種類のSoCは、従来ハイエンド帯向けSoCに提供されてきた機能を数多く実装している点を大きな特徴にしているとのことです。
以下は、各SoCの主なスペックと特徴。
Snapdragon 625
「Snapdragon 600」シリーズとして初めて「14nm FinFET(14nm LPP)」プロセスで製造されており、最大35%もの省電力化を実現。また、同社製の通信モデム「X9 LTE」を搭載したことにより、下りおよび上り方向それぞれにおけるスループットは最大300Mbpsと最大150Mbpsを達成しています。
チップは8つの「Cortex A53」コアと最新GPU「Adreno 506」から構成されており、後者は次世代グラフィックAPI「Vulkan」に対応。
さらに4K解像度の映像撮影および再生にも対応するなど、高い画像処理能力を実現しているほか、メインおよびフロントカメラには最大約2400万画素と約1300万画素までのイメージセンサーをサポートしています。
Snapdragon 435
Snapdragon 625とは異なり「28nm LP」プロセスで製造されており、8つのCortex A53コアと「Adreno 505」から構成されています。
また、統合されている「X8 LTE」モデムにより、通信スループットは下りおよび上り方向においてそれぞれ300Mbpsと100Mbpsを実現。
Snapdragon 625と同様にISP(Image Signal Processor)を2基搭載しており、優れた撮影能力に加えハイブリッドAFなどの優れた機能性も実装されているほか、最大約2100万画素までのイメージセンサーをサポートしているとのことです。
Snapdragon 425
「Snapdragon 410」および「Snapdragon 412」の後継モデルにあたり、28nm LPプロセスで製造された4つのCortex A53コアとローエンドGPU「Adreno 308」から構成されています。
上述の2モデルと同様にISPは2基統合されており、最大約1600万画素までのイメージセンサーをサポートしているほか、高い撮影能力を実現している模様。 統合されている通信モデム「X6 LTE」により、スループットはそれぞれ150Mbps(下り)と75Mbps(上り)を実現しています。
なお、Snapdragon 435および425は、既存の「Snapdragon 430」とピン互換性があるほか、今回発表された3種類のSoCは互いにソフトウェア互換性があるとのこと。
また3モデル共通で急速充電技術「Quick Charge 3.0 / 2.0」を実装し、「MU-MIMO」対応のWi-Fi 802.11ac規格をサポート。同社製DSP(Digital Signal Processor)の「Hexagon」シリーズの力によりオーディオおよび各種センサー類の高効率な処理を可能にしているほか、「TruSignal」と呼ばれる技術により通話品質を向上させることに成功しています。
3モデルともに2016年中頃にサンプル品の提供が開始され、年内にも搭載製品が市場に登場する見込みです。
[クアルコム via Phone Arena]