雲行きはあやしい? iPhone国内での出荷台数がはじめて前年以下に

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気にしすぎ?それとも...。

スマホ界の帝王iPhone。世界を見渡すとまだまだなところもありつつも、国内では圧倒的なシェア。電車で周りを見渡せばiPhoneユーザーがいない車両はないくらいです。

でも、そんなiPhoneの先行きが心配になる数字が先日発表されました。MM総研が毎年発表している「国内携帯電話端末出荷概況」によれば、2015年のiPhoneの出荷台数発売以来はじめて前年よりも少なかったのです。

昨年1年間で売れたiPhoneは1473万台。前年に比べ、なんと10.7%もその出荷台数を減らしたのです。1月の決算発表においても、前年比はギリギリ越えたものの、予想を下回る結果だったiPhoneの出荷台数。多くの人が予測していた成長の鈍化は、国内でも同様だったようです。

国内でのスマホの出荷台数自体は2012年から3年連続低下しています。フィーチャーフォンを含む携帯電話全体でも出荷台数は減っているので、そもそも携帯電話市場は縮小しています。

そのなかで、iPhoneが3キャリアとも扱うようになり早3年。iPhoneが欲しいというユーザーはすでにiPhoneに買いかえているでしょう。これら外的要因に加え、アップルが不利になる状況も揃っています。ここ数年スマホは高性能化。今使っているスマホのスペックに不満を持つ人は普及期に比べれば圧倒的に減っています。

そのなかでもハイエンドモデルであるiPhoneはそれが顕著。体感の快適さはもはや数年前に満たされており買い換えの促進も容易ではありません。周りのスマホも高性能化が進んでくると、差別化が難しくなってくるのは必然です。

そういった事情が重なっての今回の前年比割れなのではないでしょうか。とはいえ、アップルの国内シェアはいまだ41.2%と、2位のソニーを圧倒的に突き放す程度にはあります。また、アップルも散々伸び悩みといわれているので、ここで中途半端なことはできません。

噂される4インチモデルや、次期iPhone7でどこまで盛り返してくれるのか。そこを楽しみにしたいところです。


source: MM総研

(小山和之)