我々の科学力ではわかっていなかったのだ!
現代の都市は、あらゆる場所がコンクリートに覆われています。でもコンクリートがどういう構造で固まるのか、細かいところまではわかってなかったんです。
まず材料を確認すると、コンクリートは砂利や砂、セメント、そして水でできています。これらを混ぜて乾燥させると、セメント水和物なるものが全体をくっつけます。でもわかっていなかったのは、それがどういう仕組みで実現されるのかということでした。つまり、固まったコンクリートはその状態を継続的に維持できる金属みたいなものなのか、それともただ粒子が寄せ集まっているだけなのか、ということです。なんだかラピュタのロボット兵を彷彿とさせますね。
マサチューセッツ工科大学の土木・環境工学科の研究チームはその問題に取り組んできて、ついに答えを発見しました。それは、「どっちでもある」という答えです。
固まったコンクリートをミクロに見ると、中はまだバラバラの粒子でできているんですが、あらゆるすき間がより小さな粒子で埋まるようになっているんです。研究チームのひとり、Rolan Pellenq氏いわく「より小さな粒がつねにあって、すき間を埋められる」のです。言い換えれば、すき間がどんなサイズでも、セメント水和物の粒子がそれを埋めています。なので事実上、連続した物質のかたまりと見なせるんです。
ただ「事実上」というのは、やっぱり金属のように本当に連続した物質とは違い、いわゆる平衡状態にはありません。つまり、より完全な構造になるべく変化する可能性がつねにあるわけです。研究チームによれば、コンクリートの経年劣化はこうして起こります。彼らの論文は米国科学アカデミー紀要に掲載されています。
Pellenq氏らはこの発見によって、「もっと丈夫なもの」とか「もっと柔軟なもの」とか、より用途に合った新たなコンクリートの製造技術開発につなげたいとしています。そしていつかは、飛行石を結晶化する技術も手に入れられるかもしれません。
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(miho)