ボキャブラ天国といえば、90年代に社会現象ともなった番組として覚えておいでの方も多いでしょう。ボキャブラ天国のイメージといえば、若手お笑い芸人が、さまざまなキャラクターに扮してネタを披露する番組ではないでしょうか。ですが、これはボキャブラのすべての歴史を言い表しているわけではありません。
ボキャブラ天国は、1992年10月に「タモリのボキャブラ天国」としてスタートします。この時のサブタイトルは「文科系語学エンターテイメントのパイオニア」というものでした。この時、お笑い芸人の姿はまったくありません。視聴者からの投稿ハガキをもとに、ネタのVTRをスタッフが作成し、それをスタジオのゲスト審査員たちが評価するというものでした。いわば、読者投稿番組をメインとするものだったのです。番組のルールとして、匿名はNGというものでした。投稿者の名前、年齢、あるいは職業などが公開されることで、ボキャブラのネタの背景にあるものを深く味わうという番組だったのです。
そんなボキャブラ天国が、お笑い芸人をメインとする番組になっていったのは、番組のワンコーナーであった「ボキャブラヒットパレード」がきっかけです。お笑い芸人がボキャブラネタを披露し、スタジオの協議でランキングをつけていくものです。このコーナーの視聴率が高くなったため、お笑い芸人に特化した番組となったのです。