若手社員と上司の間で、モチベーションに差がありそうな「飲みニケーション」という行為。特に、最近の若手社員は上司との飲み会に参加しないという話を耳にするけれど、実際のところはどうなのだろう? そこで、上司と部下の飲み会の実情についてアンケートを実施(協力/アイリサーチ)。まずは若手社員に対して、嘘をついてまで上司との飲み会を断ったことがあるかどうか聞いてみた。
〈Q.嘘をついて上司の飲みの誘いを断ったことはありますか?〉
全くない 29.5%
半数以上が「たまにある」と回答。「頻繁にある」と合わせると、7割以上が上司から誘われて嘘をついて断ったことがあるという結果になった。理由としては「上司と飲むことの何が楽しいのかわからない」(たまにある/35歳)、「その上司が嫌いで、行っても損しかしないから」(頻繁にある/26歳)など、とにかく「楽しくない」という意見が多数。しかし、わざわざ嘘をついて断るのは「相手を不快にしないため必要なことだと思います」(たまにある/34歳)のように、上司へのせめてもの配慮であるようだ。
一方、断られる側の上司に、部下に嘘をつかれて誘いを断られたことがあるかと聞いてみると、次のような結果に。
〈Q.部下を飲みに誘って、嘘と思える理由で断られたことはありますか?〉(調査対象:部下を持つ40~50代会社員男性200人)
全くない 71.5%
7割強の上司が「嘘をつかれて断られたことはない」と答えたことから、若手のついた嘘はバレていないことも多い様子。しかし、「たまにある」と答えた鋭い上司からは「目が泳いでいたから」(56歳)、「行きたくないオーラを感じたから」(48歳)のほか、「他の人と飲みに行っていることが後で分かったから」(48歳)といったコメントが寄せられた。普段から行動を共にしている上司の目はごまかせないというケースもやはりあるようだ。
でも、いくら上司と飲みにいきたくないからといって、あまりにも頻繁に断り続けていると「付き合いが悪い」と認定されてしまいそう。実際に「付き合いが悪い」と思われてしまった場合、仕事の面での影響はあるのだろうか?
〈Q.「付き合いが悪い」と認定した部下に対して、仕事面の評価は変わりますか?〉(調査対象:部下を持つ40~50代会社員男性200人)
評価に影響する 8.5%
ほとんどの上司が「付き合いの悪さは仕事の評価には影響しない」と回答したものの、10%弱は評価の面でも「付き合いの良さは大切」と考えている模様。それぞれの理由については以下の通り。
【付き合いの悪さは評価には影響しない】
【付き合いの悪さは評価に影響する】
若手の気持ちに理解のある上司もいるが、注目したいのは【評価には影響しない】派の中にも「心証は良くない」「私情は入れない」など、印象自体は良くないという声があること。気の合わない上司と飲みに行くつらさか、出世や職場の人間関係が上手くいかなくなるつらさか、どちらを取るかはよくよく考えた方がよさそうです…。
(有栖川匠)
※当記事は2016年02月23日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。