粗暴な言動を繰り返すうつ病の姉に耐えかね殺害したとして、殺人罪に問われた妹2人の裁判員裁判の判決が24日、東京地裁であった。斉藤啓昭裁判長は「同情できるが執行猶予を付す事情はない」と述べ、江川悦子被告(43)に懲役4年(求刑懲役6年)、小杉山真由美被告(37)に懲役3年(求刑懲役4年)を言い渡した。

 判決によると、悦子被告は昨年5月、東京都足立区の自宅で、真由美被告と共謀して同居する姉の江川弘子さん=当時(45)=の首を布製ベルトで絞め、窒息死させた。

 弘子さんは2003年に出産後、育児ノイローゼでうつ病になり離婚。代わりに娘を養育する悦子被告と3人で暮らしていたが、次第に「殺す」と暴言を吐き、はさみを投げつけるなどエスカレートした。

 事件当日も果物ナイフを持って娘を追い掛けており、斉藤裁判長は「悦子被告の受けた恐怖感や精神的苦痛は大きかった」と指摘したが、「ことがあれば殺害する構えで、犯行を主導した」と非難した。