北海道美瑛町にある「哲学の木」。
ゆるやかな丘状の畑の中にあり、斜面に対して逆側に傾いた姿が思考(哲学)しているように見えることから名付けられました。
その佇まいに多くのファンもいた哲学の木ですが、残念ながら所有者の地主の手により2016年2月24日に重機で倒されるという事態に。
地主さんからの指名によりこの顛末を記録しアップしたという写真家・中西敏貴さんのブログによると、哲学の木は木としての寿命を迎えかけており、農作業の時期などに倒れると大きな被害となるために倒されたとのこと。
ただ、
「その決断を後押しした理由に
「観光客やカメラマンのマナーの悪さ」
があることは事実です。」
とのこと。
実は哲学の木は畑の所有者である農家個人所有のものなのですが、美瑛町の観光・撮影スポットにもなっているため、訪れる観光客も多く、度重なる観光客の畑への侵入に悩まされてきたようです。
より近くで撮影したい、見たいといった気持ちからか、NHKの取材によると農作業用のトラクターに勝手に乗り込む、ジャガイモの花盛りの時も侵入してくるなど、かなり悪質な人物もいたようす。
その対策として、所有者自ら木に赤色のバツ印を書いて近づいて撮影しても意味なくしたり、立ち入り禁止の看板を設置するなど対応していたが収まらず、最終的には「撮影禁止」の立て札を立てるまでとなっていました。
しかし、それでも畑への侵入は後を絶たなかったとのこと。
木の寿命というのが理由だが、観光客の「マナー」がそれを後押ししたことは間違いないようです。
今回の伐採に対し、惜しむ人たちのツイートも多く投稿されています。
「観光客」という立場は別に何をしても許されるという存在ではありません。
己を振り返り、観光客も地元も幸せになれる、そういう観光を楽しみたいものです。
(いまトピ編集部)