武豊にキングカズも......"レジェンド"の輝きに影を差す、親族の「薬物問題」とマスコミタブー | ニコニコニュース

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 清原和博の薬物逮捕は、プロ野球界のスーパースターということも相まって、世間に大きなインパクトを残した。

 まごうことなきスポーツのスターが逮捕されるというのは非常にめずらしく、マスコミが清原一色となるのもうなずける話。しかし、スポーツ界における"レジェンド"の中には、直接的ではないが、薬物に関わってしまった人物がいる。

 競馬界の名手・武豊もその一人。もちろん武騎手に薬物疑惑など毛頭ない。あるわけがない。ただ、彼の親族の中に、残念ながら薬物に手を染めてしまった人物がいる。

 武豊の実兄である長男の武伸氏は、毎日新聞にコラムを書くなどフリーランスとして活動していたが、2000年に覚せい剤に手を出し、逮捕された。若くして競馬界の「顔役」となった弟への嫉妬が膨張し、薬物に手を染めてしまったという。

1990年代後半から2000年といえば、当然武騎手がG1を含む重賞という重賞を勝ちまくっていた時期。騎乗技術においてはこの頃こそが"全盛期"という声も多く、JRA(日本中央競馬会)の売上が史上最高の4兆円を記録した97年とも重なる。

 巨大すぎるムーブメントの中心にいた武騎手。そんな輝く弟の姿を見て、自分の影が色濃くなっていくのを感じてしまったということだろうか。その後伸氏は寺にこもったと言われているが、詳細は不明とのこと。

 こういった情報は、あまり表に出てくることはない。テレビをふくむ大手マスコミや広告代理店にとって、JRAは日本一ともいえる広告費を出す"VIP"客。競馬イメージ、それも競馬界を引っ張る武豊のイメージに傷がつくようなことは「タブー」というわけだ。

 同じく"レジェンド"といえるサッカー・三浦知良選手も、親族に薬物がらみの事件があった。「あのキングカズも?」と思われる方も多いだろう。知る人ぞ知る話ではあるが、彼の実父である納谷宣雄氏(三浦は母親姓)も、1976年に覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕をされた。

 武豊の兄は「手を出してしまった」というレベルの話だが、カズの父は「密売人」だったというのだから驚愕だ。韓国で覚せい剤を仕入れ、暴力団に売りさばいていたというのだからレベルが違う。その後も代理人業やサッカーショップ経営を持ち込んで日本サッカーの"フィクサー"的存在になるなど、切れ物かつエネルギッシュな「ワル」だったことがうかがえる。

 カズの父に関してもマスコミに大々的に報じられることはない。Jリーグ創設時から現在まで、日本サッカーの顔としてメディアの寵児だったカズを思えば、下手な報道はできないことなど容易に想像がつく。

 ブレない心でスターダムにのし上がったレジェンドには敬意を抱いてやまない。ある人間がスターになることで歯車が狂うのは、実は"周囲"なのかもしれないと考えさせられる。