ドット絵の“真の魅力”が詰まった企画展“ピクセルアウト”が開催 | ニコニコニュース

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文・取材・撮影:ライター 戸塚伎一

●国内外の気鋭“ドット絵アーティスト”の作品が一堂に会する企画展

 イラストレーター/アートディレクターのたかくらかずき氏がディレクションする企画展“ピクセルアウト”が、pixiv Zingaro(東京都中野区)にて開催中。開催期間は、2016年2月25日から同3月8日まで。

 ドット絵の概念をノスタルジーから引き離し、“ピクセル”という単位から画面/デジタルメディアについて再考することを目的としたこの企画展では、ドット絵・ピクセルアートを表現手法として意欲的に用いている作家の作品を鑑賞できる。一枚の絵、一体のオブジェとして強いメッセージ性を放つものから、モニターやゲームコントローラーを介して触れることで、心揺さぶられる“表現物“として成立するものまで、その形態は多種多様だ。

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 参加アーティストは、主催のたかくらかずき氏をはじめ、彼がシンパシーを感じた国内外の14人。市販の家庭用ゲーム機で動作する、インタラクティブなゲーム的作品の制作を行っている奥田栄希氏、“デジタルイメージの立体的表現”としてドット絵彫刻作品を数多く手掛ける鈴木一太郎(zerotaro)氏、プレイステーション3/Xbox 360用ゲーム『スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド:ザ・ゲーム』などのドットアニメーションを手掛けた、オーストラリアのPaul Robertson氏……など、テレビゲーム文脈からみても興味深い面々が作品を提供し、見て、体験して楽しめる展示となっている(※直接触れられる作品は一部のみ)。

■“ピクセルアート”主催・たかくらかずき氏ミニインタビュー

──この企画展を開催した理由は?


たかくら もともと僕は、ゲームに影響を受けてドット絵を手掛けるようになり、仕事でも、レトロゲーム風のドット絵を依頼されることも多いです。でも、もっと違った形での表現もあるんじゃないかと、つねづね考えていました。現にドット絵を題材に新しい表現をしている人を知っていたので、そういったレトロゲームとは違うムーブメントを紹介できれきればと思ったのが、きっかけです。

──そこには“ドット絵=テレビゲーム“というストレートなイメージを覆したい意図もあったのでしょうか?


たかくら ドット絵に限らず、現在商業的に成功したり注目を集めているさまざまな表現が、 “懐かしい”という文脈で消費され過ぎていることに、疑問を感じていました。ドット絵は、ノスタルジーとは別の良さもあるから、表現として長持ちしているのは間違いありません。

──“ピクセルアウト”は、そういった“ドット絵観”にある程度意識的な人に向けた企画展である、と。


たかくら 「ドット絵か、懐かしいな」みたいな感じで来ていただいて構いません。展示に使われている、ブラウン管のテレビやガラケー自体が懐かしいですし、それらを間近で見る楽しさもあるので。そういった懐かしいものと、現行のものが織り交ざり、ドット絵やピクセルという単位についてフラットに考えるきっかけになればと思っています。

■イベント情報

ピクセルアウト


日程:2016年2月25日(木)~3月8日(火)
12:00~19:00 ※水曜定休
会場:東京中野区 pixiv Zingaro (http://pixiv-zingaro.jp/)
入場:無料
運営:Kaikai Kiki
協力:pixiv
備考:作品販売、グッズ物販あり