アンディ・ウィアーSF小説『火星の人』(原題『The Martian』)が海外SF作品として大ヒットになっている。発売元の早川書房によれば、『火星の人』の累計発行部数がこのほど20万部を突破した。これは紙版のほか電子書籍版の数字も加えたものだ。本書は2014年8月に刊行され、約1年半で20万部に到達した。
【大きい画像を見る】『火星の人〔新版〕』アンディ・ウィアー、小野田 和子(訳)
『火星の人』は、日本では2016年2月5日に全国公開されたSF映画『オデッセイ』の原作でもある。映画公開後に売上げを伸ばした。
作品の舞台となるのは、有人火星探査が可能になった時代である。人類はすでに火星に2度、人を送り込むのに成功していた。しかし、3度目のミッションは砂嵐の影響で中止を余儀なくされる。しかも、乗組員のひとりマーク・ワトニーは、火星を離脱する直前に砂嵐の中に飛ばされる。不毛の惑星に一人残された彼は、限られた食料と物資、そして自らの技術と知識を駆使して生き延びる。
本作の特異な成り立ちも、多くのファンの関心を惹くのに一役買っている。作者のアンディ・ウィアーはもともとコンピュタープログラマーとしてキャリアを築き、『火星の人』は当初自身のウェブサイトで連載されていた。
『火星の人〔新版〕』(上・下)
[Kindle版]