「滑り台」「ブランコ」「鉄棒」「ジャングルジム」「雲てい」といえば、誰もが子供時代に楽しく遊んだ記憶があるのでは?
これら遊具は公園、広場、レジャー施設等の遊び場にあり、誰もが気軽に遊ぶことができるわけですが、消費者庁に寄せられた情報によれば、平成21 年9月から平成27 年12 月末日までに、こうした遊具による子供の事故報告は1,518 件にものぼり、とくに、春(3月~5月)に多くなっている模様。
また、事故の報告数が多い遊具は、アスレチック器具やジャングルジムといった一見難易度の高そうな遊具ではなく、意外にも「滑り台」でした。
一番簡単そうに思えますが、死亡事故も起きています。いったいなぜそのようなことに?事例とともに事故防止のポイントをお伝えしていきます。
●事故の約7割が6才以下の子供に起きている
遊具での事故の多くは「軽症」ですが、消費者庁に寄せられた報告数1518件のうち397件は、「中度症」(入院を要する又は治療期間が3週間以上となる)以上の事故となっています。
なお、事故全体でみた危害部位は「頭部」が872 件と6割近くにまでのぼっています。
年齢でみると、遊具の種類が特定できている1,364 件中、6歳以下の幼児の事故が966 件と約7割を占めています。
●事故の約3割が「滑り台」で起きている
また、一番事故が多かった遊具は「滑り台」で、1364件中440 件となっています。次いで「ブランコ」233件、「鉄棒」141件、「ジャングルジム」120件、「雲てい」95件、「アスレチック遊具」56件と続きます。
実際、滑り台の手すりのつっぱり部分にポンチョが引っ掛かり、首が締め付けられる状態となって救急搬送され、後日死亡という事故も起きています。
なお、ケガをしたきっかけで一番多かったのが「転落」で、(きっかけがわかっている事故1501件中)974件にものぼっています。
これには、約3mのジャングルジムの頂上から2歳児が転落し、後ろ向きに落ちて約1週間の入院となった事例などがあります。
また、前日の雨で濡れていた雲てい(高さ2m)で遊んでいて手を滑らせて骨折した例もあります。
●安全に遊ぶための7つのチェックポイント
こうした事故のなかには、遊具自体の破損等が原因となっているケースもあるわけですが、見守る側で注意すべきポイントをおさえることが何より重要です。具体的には次の点です。
(1)施設や遊具の対象年齢を守りましょう。
(2)6歳以下の幼児には保護者が付き添いましょう。
(3)子供の服装や持ち物に注意しましょう。
※頭や首の周り、背中、裾にひもやフードの付いた子供服、肩に掛けるかばんやリュックサックのベルト等は、遊具に引っ掛かかって思わぬ事故に繋がる可能性があります。あらかじめ確認しておきましょう。
(4)遊具ごとの使い方を守らせましょう。
※滑り台で反対側から登る、柵を乗り越えるなど、本来の使い方でない遊び方をして、大きなけがを負った事例もあります。
(5)遊具を使う順番待ちでは、ふざけて周りの人を押したり突き飛ばしたりしないようにさせましょう。
(6)天候にも気を付けましょう。
※屋外に設置してある遊具では、夏場は表面の温度が80 度近くになるものや、雨に濡れて滑りやすくなるものもあります。
(7)遊具の不具合や破損を見付けたら、利用を控え、管理者に連絡しましょう。
わが子のみならず、友人や親類の子供と公園や広場等で遊ぶ機会もあるかもしれません。これらポイントをしっかり頭に入れて楽しく安全に過ごしてくださいね。
文・鈴木ゆかり
※参考・引用
消費者庁――遊具による子供の事故にご注意!