ビジネスにおいて謝罪が必要となった場合、スピードが重視される。だからまずは謝罪する意思があるということを端的にまとめたメールを送ることが必須で、手紙はそのあとだ。
手紙では、まず、申し訳なく思っていることを伝える。そのうえで、対象と自分の責任の範囲を明確に示す必要がある。「○○について、わが社がご迷惑をおかけして、申し訳なく思う」とはっきりと述べる。
補償については、最終的には交渉で決めることではあるが、補償の意思があり、近々お話に伺いますと書いてあれば、もらったほうは安心できる。
詫び状におけるNGの代表的なものが、「言い訳状」になってしまっているもの。手紙においては自分の責任を明確にし、その部分についてきちんと謝罪の意思を示し、それ以上のことはぐちぐち言わない。また、補償対象が複数にまたがっている際に、相手先によって補償内容を変えて「この件はご内密に」と伝えるのは不誠実な印象を与えるので厳禁だ。
(1)どのような不具合があったのか不明瞭であり、責任の範囲と所在が伝わらない。
(2)自社の責任がどこまでかを明確にするだけでよい。ぐちぐちとした言い訳は不要だ。
(3)「口外しないで」「内密に」と言うのは逆効果。ますます不信感が募っていく。
(1)どのような不具合があり、何に責任を取ると言っているのかが明確でいい。
(2)どのような補償をするのか決めるのに、時間がかかる場合もある。そんな場合でも、補償をする意思があることを伝えれば、相手も安心できる。
(3)相手の事務所や家にお詫びに訪問する予定であっても、取り急ぎメール、手紙を送ることで、謝罪の意思を表明し、相手の不安感を和らげることができる。
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北尾吉孝----------