球春到来。3月25日に開幕を控え、各地でオープン戦がはじまった。プロ野球ファンにとってはワクワクする時期。もう観戦の予定を組んだり、なかには年間指定席を購入している猛者もいるかもしれない。
しかし、時代の折、財布との相談も必要だ。「プロ野球が見たい! でもお金が…」。そんな倹約家のために各球団本拠地で行われるプロ野球公式戦の最安席を調べてみた。(非ファンクラブ、大人、当日料金)
かつての格安席といえば、外野自由席。安い、熱狂的、試合によっては空いていてのんびり見ることができるなど、数々の利点があり愛好家も多い。だが、セ・リーグでは近年異変が…。まずはセ・リーグ6球団の最安席から!
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■ヤクルト(神宮球場)<外野自由席>
1300円(バリュー)
1800円(ベーシック)
※巨人戦、阪神戦などの一部は外野自由席なし
冒頭からネタバレ気味だが、セ・リーグで外野自由席があるのはなんとヤクルトのみ。外野自由席愛好家の最後の砦だ。しかし、その料金設定は真摯そのもの。月に1〜2回行われるバリューデーの外野自由席はなんと1300円。立ち見以外のチケットではセ・リーグ最安だ。
■巨人(東京ドーム)外野自由席なし
<立ち見>
1000円
※一部の試合で300円増
東京ドームの公式戦は全席指定だが、穴場は立見席。わずか1000円ポッキリで丸々1試合が楽しめる。しかし、GWなど混雑期には立ち見エリアには幾重にも人が重なり、ちょっとしたライブ状態。
筆者は、東京観光とおぼしき老夫婦が背を伸ばして見ようとするもまったく見えない様子で悲しい顔をしているのを目撃したことがある(その日、指定席は完売だった)。
混雑期に手すり際の立ち見最前列を確保するためには、朝一番から並ぶ必要がある。しかし、ビジター外野側の整列位置には小石川後楽園からナメクジが大量に乱入してくることもあり、ビジター立ち見派は覚悟が必要。かなり気持ち悪い。
ちなみに席があるなかで最安は外野指定見切り席で1500円。柱が邪魔になってグラウンドが全部見渡せない分、外野指定席より700円安い。ビール代を捻出したい人にはおすすめだが、歯がゆさは否めない。結論、2200円の外野指定席が最もパフォーマンスが良い気がする。
■阪神(甲子園球場)外野自由席なし
<ライト・レフト外野席、レフトビジター専用応援席>
1900円
(土日祝・巨人戦は2200円)
甲子園も全席指定だが、東京ドームの外野指定席より300円安い男気。虎党には問題ないが、ビジターファンにとっては過酷だ。かつてはレフト側に外野自由席があり、ビジターファンが固まっていたが、今では全席指定のため、レフト外野席だと虎党に囲まれてしまう場合もある。
思いっきり贔屓チームを応援するためにはレフトビジター専用応援席を確保する必要があるが、対戦相手によって広さが変わるシステムで中日、DeNA、ヤクルト、西武などは豆粒ほどしか用意されていない。要は虎党の天国ということだ。
■広島(マツダスタジアム)外野自由席なし
<内野自由席>
1700円
広島の最安値は12球団唯一の内野自由席。外野のカープパフォーマンスB(Aは年間指定席)、ビジターパフォーマンスはどちらも指定席で1900円。内野自由席は2階だが見晴らしは抜群で価格も超優秀。倹約派におすすめなポジションといえるだろう。
■中日(ナゴヤドーム)外野自由席なし
<パノラマB(外野指定席)>
1500円
中日も公式戦は全席指定。外野指定席はライト・レフト・ビジターともに1900円だが、さらなる格安席はパノラマB。外野の5階部分(実質3層目)に相当するポジションだ。指定席だが、空いている場合も多く、スペース的にはゆったりと観戦することができることが多い。
しかし、すべての公式戦で自由席がないのはフラリと行くにはやや辛い。中日は入場者数減に悩んでいるが、そのあたりも考慮すべきではないだろうか。
■DeNA(横浜スタジアム)外野自由席なし
<外野立ち見/レフトDB外野立ち見>
1900円
DeNAも全席指定だが、立ち見席がある。しかし、その価格は1900円。神宮なら座れる金額だ。外野指定席(各種)は2100円で、立ち見席のお得感はあまりない…。ちなみに内野立ち見席は3100円。一応、ボックスのようになっているが、内野指定席Cと変わらぬ料金設定。
要はファンクラブに入会して、お得にチケットをゲットしてくださいということだろう。観客動員数をメキメキと伸ばしているだけに安易には批判できないが、立ち見の料金設定には疑問が残る。
最後列から入場する東京ドームと違い、階段の上り下りがハード。足腰が辛い。
明日はパ・リーグ編をお伝えする予定だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)
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