「まんじゅう怖い」なんて有名な落語がありますが、人によって「怖い」ものはいろいろだといいます。いわゆる「恐怖症」というやつです。「高所恐怖症」、また「閉所恐怖症」といった恐怖症がメジャーですが、実は恐怖症というのは他にもいろいろありまして……。
一般に、特定の事物や環境に極度の恐怖や不安を感じる症状を「恐怖症」といいます。その種類はたくさんあって、その中からピックアップしてご紹介します。
●高所恐怖症
高いところに恐怖や不安を感じます。ただし、身の危険があるほどの高所は誰もが怖いわけですので、単に高いところが苦手というのは恐怖症ではありません。以下にあげた恐怖症でもその点は同じです。
●閉所恐怖症
閉ざされた空間、狭い場所にいることに恐怖や不安を感じます。その圧迫感・閉塞感が恐怖を引き起こします。
●広場恐怖症
人がたくさんいる開かれた場所、また公共の交通機関などに恐怖や不安を感じます。
●社会恐怖症
自分が人から劣っているのではないか、またその場に合っていないのではないか、といったことに恐怖や不安を感じます。
●対人恐怖症
人と接する場面で、自分が避けられるのではないか、嫌がられているのではないか、不快感を与えるのではないか、などと考え、対人関係を避けようとします。その種類には以下のようなものがあるといわれます(一部)。
・赤面恐怖症……対人面で自分の顔が赤くなっているのではないかと恐れます。
・笑顔恐怖症……対人面で自然に笑えていないのではないかと恐れます。
・視線恐怖症……他人あるいは自分の視線について恐れます。
・醜形恐怖症……自分の体の一部などを醜いと感じ恐れます。
・嫌疑恐怖症……自分が疑われているのではないかと恐れます。
・体臭・口臭恐怖症……自分の体臭・口臭が不快に思われているのではないかと恐れます。
・おなら恐怖症……おならが漏れているのではないかと恐れます。
・男性恐怖症/女性恐怖症……「男性」あるいは「女性」に恐怖や不安を感じます。
●先端恐怖症
針の先、ハサミの先、また鉛筆の先など、とがった先端に恐怖や不安を感じます。
●集合体恐怖症
同じような形状のものが集まったものに恐怖や不安を感じます。ネットで有名な「はすの実」などの画像がその対象として有名です。「トライポフォビア」といわれます。
●動物恐怖症
ある動物を見たり触ったりすることに恐怖や不安を感じます。その対象は「イヌ」「ネコ」「ヘビ」「クモ」「アリ」など、多種にわたります。
●飛行機恐怖症
飛行機に乗ることに恐怖や不安を感じます。
●雷恐怖症
雷に打たれること、また落雷によって死ぬことに恐怖や不安を感じます。
●ピエロ恐怖症
ピエロに恐怖や不安を感じます。
●穴恐怖症
穴に恐怖や不安を感じます。
●トンネル恐怖症
鉄道用や自動車用の実際のトンネル、またトンネルの画像などに恐怖や不安を感じます。
●鏡恐怖症
鏡に映るもの、また鏡に映る自分に恐怖や不安を感じます。
●13恐怖症
13という数字に恐怖や不安を感じます。また、日本では「4」に恐怖や不安を感じる「4恐怖症」もあるそうです。
●歯医者恐怖症
歯医者に行くこと、また歯医者の存在自体に恐怖や不安を感じます。
他にも「チーズ恐怖症」「巨像恐怖症」「森林恐怖症」「花恐怖症」「湖沼恐怖症」といったさまざまな恐怖症があります。
日常生活に支障はないにしても、程度の差こそあれ何かに恐怖や不安を感じることは誰にでもありますね。それが極度にネガティブな反応になると恐怖症と呼ばれるのです。例えば、本当に高所恐怖症の人はイスの上や脚立の上に立っただけでもめまいや吐き気を覚えます。断崖絶壁の上から下を見下ろせば、それは誰でも怖いわけで、これを恐怖症とはいいません。
(高橋モータース@dcp)