ベトナム政府・教育訓練省はこのほど、小学校3年に学び始める第1外国語として、英語に加えて日本語を取り入れることを決めた。2016-17年度に始める。中国メディアが同話題を伝えると、ネット民からは「ベトナムは日本の侵略を大喜びするんだ」、「賊」などの批判や皮肉のコメントが寄せられた。ただし「日本企業の進出が増加しているからだ」といった、冷静な分析もある。
ベトナム政府はまず、ハノイ市内の小学校3カ所に日本語クラスを試験的に設け、次ベトナム各地での導入に取り組む予定だ。
国際交流基金によると、2012年の調査で、ベトナムにおける日本語学習者は4万7000人弱で、世界第8位との結果が出た。
小学校における日本語教育の導入については、在ベトナム日本大使館、在ホーチミン日本総領事館、国際交流基金ベトナム日本文化センターベトナム政府に協力する。
中国メディアの新浪網は日本の産経新聞を引用して同話題を伝えたが、記事中では「ベトナムの民衆の対日感情は概して良好」と書きながら、ベトナムで撮影したと思われる旧日本軍の写真を添え、「第二次世界大戦中、日本の植民が、ベトナムに200万人が死亡する飢饉をもたらした」と紹介した。
ネット民からは「ベトナムは日本の侵略を大喜びするんだ」、「賊」などののコメントが寄せられた。新浪網が掲載した写真に誘導された可能性も否定できない。一方で「彼らの間(日越)には領土問題がないからなあ」との指摘もある。
さらに「中国は労働コストが労働したので、多くの日本企業がベトナムやミャンマーに移転している」として「(ベトナムでは)日本語人材へ需要が増大した。だからこそ、こういう結果になった」と、経済状況の変化に注目した読者もいる。
ベトナムは第二次世界大戦終了までは、フランスの植民地だった関係で、フランス語を学ぶ人間が極めて多かった。社会主義国となってからは、ロシア語の学習者が圧倒的に多くなった。1990年後半からは、英語学習者が極めて多くなった。東南アジア諸国連合(ASEAN)の共通語である英語を学ぶよう、政府が奨励したことが大きなきっかけだったという。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の2日付報道の画面キャプチャー)