3月1日は、いわゆる就活解禁日。大手就活ナビサイトがオープンし、合同会社説明会には黒ずくめのスーツを着た就活生たちが殺到していた。いじわるなネット民からは「国葬かな?」といった揶揄も飛んでいる。
2017年卒は「短期決戦」といわれ、活動を早期に始める学生も少なくない。その一方でツイッターには「就活したくない」という言葉が目に付く。投稿内容をのぞいてみると、ストレスのありかが垣間見られた。
「屋内でコート脱いでない奴はチェック」と脅かす先輩も解禁日前日の2月29日放送「おそ松さん」(テレビ東京)では、チョロ松が「就活は、まったくする気ないよね~」とうそぶいた。それに呼応するように、ネットにも就活をしたくない若者たちの叫びが相次いでいる。
「就活したくない(解禁初日)」「就活したくないンゴ」
「エ~~ン就活したくないよ~~」
「就活したくないし地球爆発しないかなぁ」
豊かな社会を消費者として満喫するあまり、生産者やサービス提供者の立場を味わいたくないのかと思いきや、どうやら必ずしも働きたくないとは思っていないようなのだ。
「早く働きたいんだけど、就活ってのが嫌すぎて無理」
「働きはしたい金がほしい。就活したくない」
「就職はしたいけど就活したくない」
「働きたくないというほどじゃないけど就活したくない」
「就活したくないけど働きたくないわけではないよ!就活しないで働きたい!って感じ」
企業にとっては効率的で、普通の学生にもメリットが多いとされる「新卒一括採用」だが、やはり異様な光景を生み出す。一人ひとりの個性を打ち消す画一的なスーツに抵抗を示す人もおり、「スーツ着て就活したくないいいいい」という声もある。
それまで学校で習わなかったビジネスマナーを、いきなり求められることも。「ノックの数は何回(が正解)だっけ」という就活生もいれば、「屋内でコート脱いでない奴はチェックされてるぞ」と脅かす先輩社会人もいた。
「古い慣習(と思われるもの)」をやりたくないのが理由?漠然とした不安に襲われつつ、その真相を分析しようとする人もいる。
「自分が就活したくない原因って、古い慣習(と思われるもの)やりたくないってのが多い気がする」
日本企業に入りたければ、若いうちには自分を殺して目立つことは避けなければならない。ストライプのスーツは避けて忠実さをアピールし、圧迫面接にも耐える。売り手市場になったいまでも、理不尽に息苦しい「日本のシューカツ」の基本は大きく変わっていない。
仕事に関係あるのかどうか分からない「学生時代に頑張ったこと」を、話を盛りながら必死にアピールしても、面接担当者の反応は冷ややかだ。
「今年も嘘つき合戦が始まるんやな」
「あー就活したくない 面接したくない 今最高に胃が痛い(電車の中)」
という声があがるもの理解できる。不採用の「お祈りメール」を受け取るごとに、自信も挫かれがち。どの会社を選べばいいのかも分からず「世の中企業多すぎてもう就活したくない」「一社で決めたいです」という人もいた。
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