採用担当者は、候補者のSNSをチェックしてリスク回避を図っているといわれる。しかし実名登録のSNSならともかく、ツイッターなどを匿名で利用している場合には、簡単にたどり着けないはずと安心している人もいるはずだ。
しかし、敵もさるもの。あるツイッターユーザーが大手企業の人事担当者に「なぜ面接で変な質問をするんですか?」と尋ねると、驚きの回答が返ってきたと明かす。これを聞いた他のユーザーも「こっわ!こわ!」などと震え上がっている。
「変な質問されたらSNSで言いたくなるでしょ?」ネットを検索すると、「採用面接で変な質問をされた」という書き込みには枚挙に暇がない。「あなたを家電製品に例えると何ですか?」「幽霊はいると思いますか?」といった、仕事の能力とは関係なさそうな問いを投げかけられることも珍しくない。
そんな質問をなぜするのか。大手企業の担当者の答えは、このようなものだった。
「変な質問されたらSNSで言いたくなるでしょ?」
「そうすれば検索しやすくなるからだよ」
これを書いた人は、「これから就職される方は変な質問されてもSNSに書き込まないように」とクギを刺す。この書き込み自体が匿名アカウントの「中の人」を特定してしまうことにもなるが、他のユーザーからはこんな悲鳴があがった。
「ぎゃぁあああ!おっかね!!」
「ゾゾゾ....やっぱり鍵かけようかな..」
匿名アカウントには、それだけ見られたくない書き込みが多いのだろう。キャリコネニュースでコラムを連載している現役採用担当者の河合浩司氏も、候補者のSNSは必ずチェックするとしたうえで、「面接の質問内容やグループディスカッションの様子が投稿されていたりすると、問題にする人事も少なくありません」と指摘している。
特定できれば普段の言動も「芋づる式」に把握できる面接の様子をネットに書き込んでしまう人は、セキュリティ意識の低いおそれがある。そのような人を見抜くうえで、これは格好の手法とも言えるだろう。「私もこれよくやるー!検索する側として」という他のユーザーもいた。
匿名アカウントには、普段の考え方や行動などが赤裸々に書き込まれていることが多い。特定に成功すれば、候補者に関する情報を芋づる式に入手することができる。
「検索までして仕事とプライベートを結び付けるなよ。両者は100%切り離されるべきで、そんな姑息な真似をする企業なんぞ碌でもない」
と反発する書き込みもあるが、プライベートのアカウントに仕事の様子を書き込むことも、同様に公私混同だ。「それでバカッターを排除していくんですね」と感心する人もいた。
完全に特定することは難しいかもしれないがその一方で、この回答に納得できず首を傾げる人もいる。「面接での変な質問」は、SNS普及以前からあったはずだというのだ。また、
「これ、変な質問の内容がその会社独自のもので無いと意味無いよね」
「そのアカウントが当人のものだという裏付けはどうするつもりなんだろう」
などを理由に、情報を漏らした人を完全に特定することは難しいという指摘もある。すべての人に異なった「変な質問」をして、その結果をすべてチェックし、採用に反映させていくのは確かに現実的ではない。
とはいえ、特定が難しいと見られている「匿名アカウント」を採用担当者が攻略する手法のひとつにはなりうるだろう。くれぐれもSNSの書き込みは慎重にしたいものだ。
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