東京電力福島第1原発事故で国会が設置した事故調査委員会の委員長を務めた黒川清・政策研究大学院大客員教授が4日、東京都千代田区の日本記者クラブで講演した。黒川氏は原発事故について「責任を誰も問われない。日本は不思議だ」と語った。

 国会事故調は関係者のヒアリングやアンケートなどの調査を行い、原発事故を「人災」と位置付ける報告書を2012年にまとめた。

 黒川氏は講演で、事故前の日本では原発の過酷事故が起きないことになっていたと指摘。「(海外では)不思議な国だとみんな言っていた」と振り返り、国際的に見ても原発事故の備えが遅れていたと訴えた。