ボーカロイド「初音ミク」が歌い、中高生の卒業ソングの定番として知られる楽曲を実写映画化した「桜ノ雨」が3月5日、全国51館で公開され、主演の山本舞香をはじめ、共演の浅香航大、広田亮平、久松郁実、メガホンをとったウエダアツシ監督が東京・シネマート新宿で舞台挨拶を行った。
この日は初主演の大役を果たした山本に対し、ウエダ監督からサプライズで卒業証書が授与された。ウエダ監督は「出会ったころのあなたは、ことある度に『私大丈夫ですか?』と申し訳なさそうな顔をよくしていました。歌うことや演じたことのない役柄、そして初主演へのプレッシャー。当時17歳のあなたにはいろんな不安があったんだと思います。しかし、いざ現場に入ると堂々としたお芝居と立ち振る舞いでスタッフやキャストを引っ張ってくれました」と称賛し、「今日は映画『桜ノ雨』の門出であり、主演女優としてのあなたの旅立ちでもあります」とエール。そして「その負けん気の強さ、謙虚さ、素敵な感性を生かしてあなたらしい女優の道を歩んでください」と女優・山本舞香を次のステージへと送り出した。
ウエダ監督を真っすぐに見つめ、目に涙をためながら卒業証書を受け取った山本は「監督からこんなに褒められると思ってなかったので、序盤からうるっときちゃいました」と感無量の面持ち。さらに涙をぬぐうと、「今、世界で一番幸せだと思います」と満面の笑顔を浮かべ、喜びを爆発させた。
そして山本は、「キャストの皆さま、スタッフの皆さまに支えられてできた作品です。ファンの皆さまがいなかったら、公開もできなかったはず」と感謝を述べ、「初主演作が公開をむかえ、胸がいっぱい。今この瞬間、本当に嬉しいです。ありがとうございました!」と胸をはり、座長として舞台挨拶を締めくくった。
「桜ノ雨」は、2008年にhalyosy氏がニコニコ動画で発表した、高校生活を送る初音ミクとその卒業をテーマとした人気楽曲。同曲をノベライズした書籍を基に製作された映画は、「音浜高校合唱部」を舞台に、ボーカロイドキャラをモデルにした未来(ミク)、鈴(リン)、蓮(レン)、瑠華(ルカ)、ハルらの高校生活を描く。