科学ライターが本気でオカルトを語る! 「幽霊もUMAも地底人も実は…」 | ニコニコニュース

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TOCANA

 今年1月にオープンしたウェブサイト「サイエンスニュース」。「科学で世界をブリッジする」をコンセプトに、科学の世界とそうではない世界をつなぎ、科学の面白さをたくさんの人に伝えている。

 物理・数学・宇宙・化学・生物などの科学系のすべての分野をカバーし、難しい事柄でもより多くの人に伝えるためのわかりやすい、科学的知見に立った解説が注目を集めている。

 そんな「サイエンスニュース」で編集統括を務める、サイエンスライター川口友万氏と、編集記者を務める山下祐司氏に、科学にまつわるあんなことやこんなことをインタビュー。今回は、テレパシーや幽霊の存在などの超常現象について、科学的にどうアプローチできるのか尋ねてみた。

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■テレパシーより電話の方が便利じゃん!

――今回は超常現象について聞いてみたいのですが、テレパシーとかいかがですか。

川口友万氏(以下、川口) テレパシーですか、機械使えば可能ですよね。

――機械で脳波を読み取って、イメージを伝達したっていうニュースがありましたね。

山下祐司氏(以下、山下) でも、メガネのようなもので目のあたりにLINEみたいな文字情報流したほうが早くないですか。機械を使ったテレパシーじゃ細かい情報は伝えられないですよ。脳から解読できているのは画像的に文字を取り出すこと。これは株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)で行われた有名な研究です。文字情報を細かく伝えるのは難しいんじゃないですかね。リアルタイムでどんどんやるのは、難しいですし。

川口 あと人を操るみたいな研究もあったね。2人組で、1人はテレビゲームさせて、もう1人が右って考えたら右に動くみたいな。「こっちにいけ」っていう指示が、感覚的にやっぱり分かるんだって。脳波計をつけてデータを送受信すれば、脳のどの場所で何をしているのかはわかってなくても、電磁パルスが相互に送られてくることで、ざっくりとわかるみたい。

――機械を使ってすでにできてるわけですね。

川口 いまはざっくりとしたものだけど、そのうち天才が出てきて進むかもしれない。テレパシーができて何が便利なのかわからないけど。

山下 電話でいいですよね。今となっては、テクノロジーの方が強いので。

川口 冷えきったライブ会場を一瞬で盛り上げることができるとか、そういうレベルならありかな、ちっちゃいヘッドギアつけて。

――今のところメリットは少ない感じですかね。

川口 あとは相手の本音を見たいとかそのへんかな、サトリサトラレみたいな。テレパシーのメリットってそれくらいですよね。

――それなら捜査にも使えますよね。

川口 携帯とかにテレパシー機能をつけられたらたまったもんじゃないすね。今○○してるって嘘ついても、全部筒抜け。そういう機能はいつか誰かが開発するだろうなって思うけど。

山下 MRI(核磁気共鳴画像法)を使ってこころを読み取ろうとしてたりしますね。ただ、できてもぼんやりとしているので、裁判で使えるようなレベルじゃないですけど。まあ、脳の活性化状況の違いから、いろいろと読みとろうっていう研究は昔からやってますね。

川口 嘘をついているときには、現実の会話のときに動く脳の場所とは違うところが動いているそうですよ。

山下 嘘つくときには、もう一本別の話作ろうと思いますね。

川口 でもどうせバレるんだよ嘘ついたって。嘘つこうとすると人は、やっぱり態度にでちゃうんだよ。

――人間の観察力を磨いたほうが早そうですね。

川口 まあそうでしょうね、だからメンタリストとか人気なんじゃないんですか。


■幽霊もUMAも地底人も、正体は河童だった!?

――幽霊についてはどうお考えですか。心霊写真とか、昔ならネガとかでしたけど。

山下 僕でも心霊写真を作れましたからね。昔写真を焼いてたんで、やろうと思えばいくらでもできますよ。ネガから写真を焼くときに手を加える方法は山ほどある。

――デジカメの場合だと、どういう方法論が考えられるでしょうか。

川口 作るんじゃないんですか。フォトショップとか使って、デジタル加工して。

山下 よくできてますもんね。今はすぐに作れますし、参入する人も増えましたからね。

川口 あと、カメラマンが言ってたのは、フィルムの時代よりも撮影する人が圧倒的に多いから、ちょっとした撮影ミスで撮れる変な写真も、昔より増えてるってこと。人が人の陰に完全に隠れて、手だけ写ってるというようなものとか、カメラのひもが写りこんだりとか、ガラスに反射したりとか。そういう写真が多くなってる。

――写真の枚数そのものが増えてるってことですよね、では写真抜きで幽霊は……。

川口 そりゃわかんないって。

――そこをなんとか、考えられることとしては……。

山下 まあ、ビジョンとしては脳内で処理しているので、夢と一緒ですよね。人間は目で見ていることすべてを正確に脳の中に入れて、意識で見てるわけではないので。

――薬物によって見る幻覚もありますね。

川口 河童と一緒だよ、河童。幽霊でもなんでもいいんですけど、河童を見たっていう人がいるんだから、俺はまず河童から考えたいかな。北芝健さんなんかは高田馬場に河童がいるって言ってるし。

 調布で河童を見たっていう女の子もいて、彼女は河童だって言うけど、その生き物は緑色じゃなかったらしい。ただ、人ならざるものが人の格好をして、人と一緒にいると気がついてものすごく怖かったんだって。そういう話を総合すると、表現のしようがない存在を河童だと言ってるんだなと。

――説明できない何かを形容するために、河童という言葉を出したと。

川口 そうそう、人によって幽霊と言うかもしれないし地底人と言うかもしれないし、なんでもいいんですよ。そういう“人ならざる何か”と一緒になるということがたまにあるんです。しかも、その何かが見えると主張する人が無視できない程度の数で存在するので、何かがあるってことにした方が面白い。でも、何者かを見つけたら、写メ撮って尾行して、なんならインタビューもしてって、そういう心構えが必要ですね。ビビらないで、まずはそこからはじめよう。

山下 実際見たらビビっちゃいますけどね、写真よりも動画でネットに上げてもらえればいいですね。

川口 どうみても人なんだけど、人じゃないってわかるらしいからね。怖い話の文脈だと、それを幽霊にしちゃう。UMAの文脈なら河童にして、飛鳥昭雄さんだと地底人にする。なんでもいいんですよ。実際に会ってみたら普通のおばちゃんだったりして、そうなればすごく面白い。

 普通の人間を人間じゃないように思ってしまう精神病があるんですよ。それは明らかに普段から変調をきたすはずだけど、それが一時的に起きたものだとすると、病気として本当に興味深い。なぜ、そのときだけそれが起きたのか、何か変わったものを食べたのかとかね。

 アプローチの方法はいくらでもあるんです、自分の周りのもの全部が偽物に感じる「カプグラ症候群」みたいな。河童を見たっていう人も、そのときにカプグラ症候群と似たような状況や症状が起きちゃったって考えることもできるでしょ。幽霊そのものより、何がそれを引き起こしたのかを考える方が面白いよね。

山下 幽霊を認識するときに人間に何が起きているかってことですね。

川口 そうそう、それでスクリーニングをした上で、なおかつ河童がいるんであれば、俺は河童に会いに行くよ(笑)。

――人間がどういう状態のときに河童に会えるのかが判明したら、その状態になって会いに行くと。

川口 当然じゃない、みんな河童に見えるはずだからね。

山下 はたからみたら、みんな人間ですけどね。

川口 本人は黄桜の世界の中にいますからね(笑)。


 読者の皆さまの中に、もし河童を見たという人がいたら、そのときの状況を詳しく情報提供して欲しい。それによって再現可能となれば、史上初の河童へのインタビューが実現するかもしれない。


※画像は「Wikipedia」より引用