ひまな時間に一人でちょっとプレイ、友だちと一緒に協力・対戦プレイ……携帯機やスマホアプリの普及で、より身近な存在となったコンピューターゲーム。
ゲームをすると悪い子に育つ!? 最近の研究でわかった“意外な事実”
子どもがゲームを楽しんでいたら「そんなのやめて勉強しなさい!」と言いたくなるのが親の心情かもしれないが、そのパパママ世代はどのくらいゲームをしているのだろうか?
今回は、サイト内で実施したアンケート結果をもとに、“大人と子どものゲーム時間”について考えてみたい。
「1日に何時間ゲームしていますか?」
【投票期間】2015年9月17日 ~ 2015年10月16日
【特記事項】プレイ時間は「ゲームをした日のみの平均」
【質問内容】
1・お子さんは1日に何時間ゲームをしていますか?(回答者:245人)
2・パパママに質問。1日に何時間ゲームをしていますか?(回答者:250人)
3・ゲームをしているパパママに質問。ゲームをしているのはパパ?ママ?(回答者:176人)
【投票結果グラフ】
グラフから分かるとおり、ゲームプレイ時間は全体的に子どもが大人を上まわっている。しかし、想像していたほど差がないな……と感じた人も多いのではないだろうか。
パパもママもゲームしてるじゃん!
「ゲームをしない」子どもが全体の20%に対し、大人は31.2%。子どもがいるパパママも、7割近くは何らかのゲームを楽しんでいるということになる。
しかも47.2%、およそ半数の大人が1時間以上プレイしていると回答。4時間を超えるヘビーユーザーの割合となれば、子ども13.9%に対し、大人は10.8%と差が縮まった。家事や仕事、育児をしながらこれだけゲームに時間を費やせる人がいるのはちょっと意外に感じる。ゲーム中の子どもをうかつに叱ると「パパもママもゲームばっかしてるじゃん!」と反撃されかねないアンケート結果だ。
パパとママ、どちらがゲームをしているかの質問には、パパが43.2%、ママが23.9%。両方と答えたのが33%。最近はゲームをする女性が増えてきたとの調査報告もあるが、まだ男性優位は変わらないようだ。
パソコンゲームや据え置きゲーム機まで手を伸ばす男性がいるかぎり、パパママの間でも当面その差は埋まらないかもしれない。
夫婦仲&家族仲をゲームが取り持つ…!?
パパママ両方ともゲームをしているという回答が33%、およそ全体の1/3を占めたわけだが、これは何を示すのだろうか?
子どもの年齢とゲーム機に関わる興味深いデータ
まず1つは、夫婦だけで仲よくスマホゲームや携帯ゲームを遊んでいる層がいるという推測。「夫婦で同じゲームをやってます」という声は筆者のまわりでもそれなりに聞かれる。
もう1つ、夫婦だけでなく子どもも交えてゲームを楽しんでいるのではないか、という推測もできる。メディアクリエイトの『2014ゲームユーザー白書』には、それを示唆する興味深いデータがある。
年代別にどのゲーム機で最も遊んでいるかを調べた結果、男性は小さいうちは任天堂フォーマット(Wiiや3DS)を好み、ある程度成長した15歳からはPSフォーマット(PS3やVita)に移行、そして30代~40代になると再び任天堂フォーマットの割合が増える。
これについて同白書では「子どもや家族と遊ぶ機会が増えるためだと考えられる」と記載している。子どもがゲームに興味を示しはじめる年代になれば、パパ世代も親子で楽しめるタイトルが多い任天堂系のゲーム機に戻って来るのではないか、というわけだ。
改めて考えてみると、日本のコンピューターゲームは長い歴史を誇り、国民的どころか全世界的に人気の長寿コンテンツも驚くほど多い。ざっと挙げれば昨年は『スーパーマリオ』30周年が盛大に祝われ、今年は『ドラゴンクエスト』『ゼルダの伝説』が30周年を迎える。さらに『ポケットモンスター』『バイオハザード』がそれぞれ今年で20周年と、アニバーサリーが目白押しだ。
つい先日、大阪のテーマパークUSJが、任天堂の『マリオ』を起用した新アトラクションに大型投資を行なうというニュースが流れるなど、ファミリー客を意識したゲーム資産の有効利用も活発化してきている。
かつて『マリオ』に熱中したパパママ世代が、子どもと一緒に最新の『マリオ』を楽しむ。反射神経では若者にかなわないけれど、「パパがやってた頃のマリオはなぁ…」と昔話ができる――もはやゲームは子どもの勉強を邪魔する存在ではなく、“親子共通のコミュニケーションツール”へと変容しつつあるのかもしれない。