3月最初の全米ボックスオフィス。先週末は3本の新作がトップ10にランクインし、ディズニーアニメ(ピクサー作品は含まず)史上最高のオープニング興収となる約7370万ドルを稼ぎ出した「ズートピア」が大ヒットスタートを飾った。
同作は、動物たちが人間のように暮らす大都会「ズートピア」を舞台に、ウサギの警察官とサギ師のキツネがコンビを組んで、街に仕掛けられた陰謀に挑む姿を描いた冒険ファンタジー。興行的な成功に加え、批評家からも多くの絶賛評が集まっており、ディズニーとしては最高のオープニングとなった。
約2100万ドルで2位デビューしたのは、「ゴッド・オブ・エジプト」に続き2週連続の新作リリースとなったジェラルド・バトラー主演のアクション大作「エンド・オブ・キングダム」。テロリストに占拠されたホワイトハウスで孤軍奮闘する元シークレットサービス、マイク・バニング(バトラー)の活躍を描いた2013年の大ヒット作「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編。今回は謎の死を遂げた英国首相の葬儀のため各国首脳が集結した厳戒態勢のロンドン市街が舞台となる。批評家からは厳しいレビューが多く集まり、オープニング興収も前作の約3000万ドルを上回ることは出来なかった。共演は前作から続投のモーガン・フリーマン、アーロン・エッカート、アンジェラ・バセット、メリッサ・レオ、ロバート・フォスターに、アロン・アブトゥブール、ジャッキー・アール・ヘイリー。
3位は3週連続の首位から陥落した「デッドプール」。累計を約3億1100万ドルとし、R指定作品2位の「アメリカン・スナイパー」(14/グロス約3億5000万ドル)を射程圏内にとらえている。
9・11の同時多発テロへの報復として始められた米英両軍による「不朽の自由作戦」に従軍取材したキム・バーカー氏の回顧録「The Taliban Shuffle: Strange Days in Afghanistan and Pakistan」をティナ・フェイ製作・主演で映画化したコメディ「Whiskey Tango Foxtrot」は4位デビュー。初めて従軍取材をすることになった主人公の目を通して、戦争報道の裏側がコミカルに描かれる。共演にマーゴット・ロビー、マーティン・フリーマン、アルフレッド・モリーナ、ビリー・ボブ・ソーントン。監督は「フォーカス」「ラブ・アゲイン」のグレン・フィカーラ&ジョン・レクア。ちなみにタイトルは英数符号を口頭で伝える際に誤解を防ぐため軍隊などで使用されている「NATOフォネティックコード」の「WTF(つまりWhat The Fuck)」から付けられている。
今週末は、J・J・エイブラムス製作のパニックスリラー「10 クローバーフィールド・レーン」に、サシャ・バロン・コーエン脚本・主演のアクションコメディ「The Brothers Grimsby」などが公開となる。