「メモをするのは、忘れないようにするため」「新人の時だけ」「メモするのってカッコ悪い」と思っている方、もったいないですよ! メモには単なる「備忘」ではなく、もっとすごい効能があるのです。
『すごいメモ。』(小西利行/かんき出版)はまるまる一冊メモについて語っている異色の実用書。
著者は有名コピーライターであり、CM制作、商品開発まで手掛けているトップクリエイター。サントリー「伊右衛門」、ライザップなどの、数々の名作CMやヒット商品を手掛けてきた実績の持ち主。「良質な」アイデアを「量産」できるのは、なんと「メモ」のおかげなのです!
そんな著者は、メモは「過去」のことを書いておくためではなく、「未来」に向けて書いておくものなのだと考えています。
まず、メモには5つの役割があるのだとか。
(1)整理(仕事の条件や要点を整理する)
それでは、本書の内容を少しだけ紹介してみましょう!
(1)整理
(2)設定
ハードルを設定するのは簡単です。例えば「30代女性に売れる新商品をつくる」だったら「それは本当に、30代女性に売れる商品か?」と書き換えます。この意識を常に持ったままアイデアを着想すると、考えがブレないのです。
(3)考察
そんな時は、発言者の簡単な似顔絵を描いて、意見を吹き出しに書き込んでみます。たったそれだけで、「情報が視覚化され」「冷たい意見がエモーショナルになる」のです。ちょっと眉唾物だと思った方も、ぜひ一度チャレンジしてみてください。驚くほど頭に内容が入ってきますよ!(簡単な似顔絵の描き方も載っているので、絵が描けない人でも大丈夫!)
(4)発見
「やるべきことがわからないときや、本当に効果がある答えを見つけたいときに使えるメモ術」だそう。
一例として「見せブラ」を挙げています。ブラジャーを見せるなんて、女性のタブーでしたが、今では定着していますよね。あまのじゃくメモは「考察」にも使えるかもしれません。
(5)指示
その名も「書籍タイトルメモ」。書籍タイトルのようにキーワードを織り込み、その流れにそってスピーチをするのです。
1、君は、「ノームコア」を知っているか?
……といったような流れにすれば、「ノームコアって何?」という興味を惹きつつ、その内容を順序立てて説明することができます。ちなみに「ノームコア」とは「究極の普通」というファッション用語だそう。
今回紹介したのはほんの一例なので、更なるメモの神髄に迫りたい方は、ぜひとも本書を手に取ってみてください。
なんと作家の伊坂幸太郎さんとの対談も収録されています! ベストセラー作家の「メモ」について語ってくれているので、こちらに興味がある方もぜひ!
文=雨野裾