シーレーン確保へ支援拡充 南シナ海で中国けん制
日本の政府開発援助(ODA)の実績や方針をまとめた外務省の2015年版「開発協力白書」の全容が8日判明した。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国について、日本のシーレーン(海上交通路)上に位置する「政治・経済両面で極めて重要な地域」と明記。南シナ海で軍事拠点化を進める中国けん制を念頭に、アジア地域への支援拡充を打ち出した。14年版白書で触れなかったシーレーンの安全確保に踏み込んだ。
安倍政権はODAの活用で、ASEAN諸国との連携を強化し、中国に対抗する構え。中国は日本の南シナ海問題への関与を警戒しており、今後、両国の摩擦が強まりそうだ。