スマホやパソコンで文章を打つ機会が増えたが、意外と知らないのが「記号」の名前だ。しばしば見かける記号の名前とその由来を紹介しよう。
【同の字点『々』】(漢字返し)(ノマ点)
同じ漢字を繰り返して使うときに使用される。名前の由来は諸説あるが、1946年の文部省国語調査室の資料によれば「仝」(同の異体字)から転化していったといわれている。いつごろから「々」が使用されるようになったのか定かではない。「漢字ではなく符号の一種」(文化庁国語課)だという。
【パーレン( )】(括弧)(挿入符)
小括弧ともいう。ギリシャ語のparenthesis(間に入れること、転じて余談や挿話、幕間などの意)に由来する。前の単語の説明や注記を示すときに用いるが、数式では5×(3+2)のように、ひとつのまとまりとして扱われる。
【ブレース{ }】(中括弧)(カーリーブラケット)
日本語では特に決まった使用法はない。数式では( )でくくられたものよりも大きなまとまりであることを示し、( )→{ }の順に計算を行なう。
【一の字点『ゝ』】(一つ点)(平仮名返し)
「学問のすゝめ」のように、1文字繰り返す時に使う。種類があり、ひらがなには「ゝ」「ゞ」を、カタカナには「ヽ」「ヾ」を使用する(脇にある点は濁音を意味する)。
※週刊ポスト2016年3月18日号