35年後も今と同じように食べていけると思ったら大間違い。
2050年には、地球温暖化の影響による食糧不足で亡くなる人が50万人以上にもなるのです。
イギリスのオックスフォード大の研究グループが英医学誌ランセット電子版に発表した研究内容によると、2050年には地球温暖化の進行により農業生産が減り、そして人口1人あたりの摂取可能なカロリー量も減ってしまうことが明らかに。
温暖化が最も進んだ産業革命前からの気温上昇が、今世紀末に4度以上になるケースでは、温暖化がない場合に比べ、2050年時点の1人1日あたりの摂取エネルギーが99キロカロリー減少。野菜や果物は14.9グラム、肉類が0.5グラム減るそうです。
牛肉や豚肉といった赤身の肉の生産量は若干減る程度なのですが、果物や野菜の生産量は現在の4%以上減少。この数値は一見大したことないように見えてかなり深刻。カロリーや肉類が減れば、肥満などからくる生活習慣病も減りますが、野菜や果物不足、低体重などに関連する病気による死亡者数が約50万人になると推定しています。
「伝統的」な飢饉とは異なり、この食糧不足は高所得の国にも起こりうるそうです。特に中国では、食糧に関連する死が約半分になり、アメリカでは1年で1万人弱の人が食糧問題に関連して亡くなるとしています。日本で予測される死者数は7,620人と、155カ国中7番目となりました。
世界中の人々がお腹を空かせる暗い未来を防ぐためには、温室効果ガスを削減していく必要があります。温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」で合意したように、今世紀末の気温上昇を2度未満に抑えることができた場合には、亡くなる人は30%程度に減らせるとのこと。
地球温暖化は他人事ではありません。
ひとりひとりの意識を変えながら、新しい環境でどうやって食糧を確保すべきか、本気で取り組まないと大変なことになってしまいます…。
source:Lancet,朝日新聞デジタル
image by A U.S. supermarket’s vegetable selection / Liz West
Ria Misra - Gizmodo US[原文]
(mayumine)