公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は9日、東京都内のJFAハウスで2016年度第1回社員総会と臨時理事会を実施し、村井満チェアマンの二期目となる2016シーズンに臨む“新体制”を発表した。
記者会見で村井チェアマンは自身の一期目を振り返って「Jリーグの足場を固める意味で、選手育成、デジタル化、国際交流、経営人材の育成に取り組んできた。足下を固めるための2年間でした」と総括。その上で「次の2年間を考えた時に、世界のフットボールとのギャップを埋め、世界を意識したJリーグにしていくことを目指していこう」と考えたという。今回の“新体制”には、その実現に向けたメンバーが揃った。
まず一番の目玉は、日本サッカー協会で専務理事を務めていた原博実氏の副理事長就任だ。世界の進化スピードを肌で知る原氏を招へいし、Jリーグが世界のトップリーグに追いつくために足りないものを具体化して着手する。Jクラブでの監督経験を持ち、代表チームの強化を担当した原氏の存在は非常に大きい。
また、新理事には浦和レッズの淵田敬三社長、サンフレッチェ広島の織田秀和社長が就任。村井チェアマンは「Jクラブの中で収益規模でも入場者数でもリードする浦和の淵田社長には、世界にチャレンジする一つのモデルを示してほしいと考えてお招きしました。広島の織田社長は現役時代に東洋工業でプレーし、十数年にわたって広島の強化を任されてきました。昨年末のFIFAクラブワールドカップで世界3位になった背景は、吉田町の寮と育成哲学にありますし、世界に届くクラブに育てた実績をJリーグ全体に還元してほしい」とリーグ屈指の実力と実績を誇る両クラブのトップに期待を寄せた。また、メディアの立場からサッカーに携わり続けてきた元NHKアナウンサーの山本浩氏が特任理事から理事になることも明らかにした。
また、今回の人事ではピッチ内だけでなく、ピッチ外の強化も図っている。大きな変革を支える経営基盤や組織基盤を強固なものとするため、元日本銀行の木下由美子氏を常任理事として招いた。木下氏には財務、組織人事、バックオフィス関連、法務などを委ねるという。
今回の理事再編成に関して村井チェアマンは「Jリーグに長らく欠けていたフットボールのプロフェッショナルと経営管理におけるプロフェッショナル……二つのピースが両方揃うことになりました。これでJリーグとして大きく前進できる」と大きな手応えを得ている様子。同日行われた臨時理事会の内容を踏まえ、「いい意見が出る、いいチームになりそうな予感がしています」と笑顔を浮かべていた。
文・写真=青山知雄
【2016年度Jリーグ理事・監事・特任理事一覧】
[チェアマン]
[副理事長]
[常務理事]
[理事]
[理事(非常勤)]
[監事(非常勤)]
[特任理事(非常勤)]
(掲載は役職別に五十音順。年齢は2016年4月1日現在)