リクルート住まいカンパニーでは、 関東(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の3996人を対象に実施した「2016年版 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版」を発表した。今年は5年連続1位の王者「吉祥寺」が2位に陥落するという波乱が起きた。注目のポイントを見ていこう。【今週の住活トピック】
『2016年版 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版』を発表/リクルート住まいカンパニー1位は「恵比寿」! 自由が丘、武蔵小杉、東京、二子玉川が躍進
結論から言うと、「吉祥寺」を抜いて首位に躍り出たのは、昨年まで3年連続2位の「恵比寿」だ。
恵比寿が昨年から大きく得点を伸ばし、最強2トップの順位が入れ替わった。
たしかに恵比寿は、話題となる有名店が数多く出店しており、メディアの露出も多い。2016年春にはアトレ恵比寿の新館となる「アトレ恵比寿西館」がオープン予定で、ますます立ち寄るのが楽しくなりそうだ。利便性と街の成熟度が加わって、人気が高いということだろう。
むしろ今年のランキングで注目したいのは、大きく躍進した街が多いことだ。自由が丘、武蔵小杉、東京、二子玉川がその代表例だ。
男女別で街の評価が分かれ、プレスリリースのフリーコメントから、男性は利便性や資産価値を重視する傾向があり、女性は治安の良い適度な規模のオシャレな街を重視する傾向が読み取れる。今年はその傾向が強く表れ、全体ランキングにも大きく影響したと思われる。
まず「自由が丘」だが、昨年の12位から4位に大きくジャンプアップした。話題の店が次々とオープンしたこともあって、女性の評価が大きく高まったことが、ランキングを押し上げる大きな要因となった。
一方、昨年17位から急上昇し9位になった「東京」は、丸の内と八重洲の駅の両サイドの整備が進み、街のイメージが大きく向上している。男性の評価が大きく高まったことが急上昇の大きな要因となった。
5年連続で順位を上げた4位「武蔵小杉」や昨年15位から10位に躍進した「二子玉川」は、いずれもオシャレな新しい街としての成熟度を高めている。特に、武蔵小杉は「グランツリー武蔵小杉」、二子玉川は「二子玉川ライズ」といった目玉となる複合施設があり、ファミリー層からの強い支持がランキングにも影響している。
●住みたい街(駅)総合ランキング(関東全体)<女性>
順位(昨年の順位) 駅名(代表的な沿線名) 得点(昨年の得点)
1位(1) 吉祥寺 296(250)
2位(2) 恵比寿 294(163)
3位(4) 横浜 252(145)
4位(10) 自由が丘 245(116)
5位(5) 目黒 199(139)
6位(7) 武蔵小杉 197(121)
7位(13) 池袋 173(93)
8位(3) 中目黒 169(152)
8位(9) 二子玉川 169(120)
10位(12) 鎌倉 128(102)
(※出典:リクルート住まいカンパニー)穴場な街ランキング首位は、ダントツで「北千住」
「穴場だと思う街(駅)ランキング」では、今年も「北千住」がダントツ首位となった。
穴場と思われる要因は、利便性が高く都心に近いのに、住宅価格や家賃が安いということがベースにある。
北千住は、5路線が乗り入れる利便性の高さに加え、4つの大学がキャンパスを構えたことで街に活気があふれ、大きく変貌をしている。こうしたことから、北千住は全体ランキングでも順位を上げ続け、今年は過去最高の18位に入った。
2位も昨年と同じ「赤羽」。全体ランキングでは、昨年の48位から20位に大きく躍進した。
交通利便性の高さ、商業施設の充実、住宅がリーズナブルなどバランスの取れた街ではあるが、リクルート住まいカンパニーでは、2015年放送の深夜ドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」の影響も挙げている。
3位~5位は、「池袋」「巣鴨」「大塚」と山手線の街(駅)が続く。山手線の駅の中では比較的家賃が安いことが魅力となっている。
●穴場だと思う(交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある)駅ランキング(関東全体)ちなみに、同調査では「住みたい行政市区ランキング」も出している。東京都の港区と世田谷区が群を抜いて高いのだが、住みたい街(駅)とはリンクしていない。つまり、「住みたい」イメージ先行ということなのだろう。
住みたいだけでなく、穴場な街、今後値上がりしそうな街、これから人気が出そうな郊外の街といったランキングもあるので、見方を変えると街(駅)が変わることにも目を向けてほしい。