【全文】東日本大震災五周年追悼式、天皇陛下のおことば | ニコニコニュース

東日本大震災の発災から5年にあたり、政府が東日本大震災五周年追悼式を開催した。菅義偉内閣官房長官の開式の辞、国歌斉唱が行なわれ、14時46分の時報にあわせ、1分間の黙祷が捧げられた。

さらに政府を代表し、安倍総理大臣が式辞を述べた。安倍総理は式辞の中で「被災地に足を運ぶ度、まだ災害は続いている、そのことを実感いたします。その中で、一歩ずつではありますが、復興は確実に前進しています。住まいとともに、生業の再生も本格化しています。被災者の方々お一人お一人が置かれた状況に寄り添いながら、心と体のケア、地域社会、産業振興の支援などに力をそそぎ、魅力ある地方創生につながるよう、復興に尽力する」と述べた。

安倍総理の式辞に続き、天皇陛下がおことばを述べられた。

東日本大震災から五年が経ちました。ここに一同とともに、震災によって亡くなった人々と、その遺族に対し、深く哀悼の意を表します。

五年前の今日、東日本を襲った巨大地震と、それに伴う津波により、二万人を超す死者、行方不明者が生じました。

仙台平野を黒い壁のような波が、異常な速さで押し寄せてくるテレビの映像は、決して忘れることの出来ないものでした。このような津波に対して、どのような避難の道が確保できるのか。暗澹たる気持ちになったことが思い出されます。また、何人もの漁業者が船を守るために、沖に向け出航していく雄々しい姿も深く心に残っています。

このような中で自衛隊、警察、消防、海上保安庁をはじめとする国や自治体関係者、さらには一般市民が厳しい状況の中で、自らの危険や労をいとわず、救助や捜索活動に携わったことに深い感謝の念を抱いています。

地震、津波に続き、原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染のため、多くの人々が避難生活を余儀なくされました。事態の改善のために努力が続けられていますが、いまなお、自らの家に帰還できないでいる人々を思うと心が痛みます。

こうした苦難の中で、政府や全国の地方自治体と一緒になって多数のボランティアが被災者のために支援活動を行いました。また、160を超える国、地域や多数の国際機関、また在日米軍が多大な支援にあたってくれたことも忘れることはできません。

あれから5年、みんなが協力して、幾多の困難を乗り越え、復興に向けて努力を続けてきました。この結果、防災施設の整備、安全な居住地域の造成、産業の再建など進展が見られました。

しかし、被災地で、また避難先で今日もなお多くの人が苦難の生活を続けています。特に年々、高齢化していく被災者をはじめとし、私共の関心の届かぬところで、いまだ人知れず苦しんでいる人も多くいるのではないかと心に掛かります。

困難な中にいる人々、一人一人が取り残されることなく、一日でも早く普通の生活を取り戻すことができるよう、これからも国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います。

日本は美しい自然に恵まれていますが、その自然は時に、非常に危険な一面を見せることもあります。この度の大震災の大きな犠牲のもとで学んだ教訓をいかし、国民皆が、防災の心を培うと共に、それを次の世代に引き継ぎ、より安全な国土が築かれていくことを衷心より希望しています。

いまなお不自由な生活の中で、たゆみない努力を続けている人々に思いを寄せ、被災地に一日も早くやすらかな日々の戻ることを一同と共に願い、御霊への追悼の言葉と致します。

天皇陛下のおことばに続き、衆院議長、参院議長、最高裁長官、岩手・宮城・福島の三県の遺族代表が思いを述べた。

各党の声明


東日本大震災、原発事故から5年を迎えて 党声明 - 自民党
大震災5年 党声明 - 公明党
【代表談話】東日本大震災から5年を迎えるにあたって - 民主党
東日本大震災から5年を迎えての党声明 - 維新の党
東日本大震災から五年を迎えて - 日本のこころを大切にする党
被災者の生活再建に、最後まで国が責任を果たせ - 日本共産党
東日本大震災から5年を迎えて(談話) - 生活の党と山本太郎となかまたち
東日本大震災および東京電力福島第一原発事故から5年を迎えて(声明) - 社民党