空前のペットブームだという。特に猫による経済波及効果は2兆3000億円、ネコノミクスと呼ぶとか。’15年のペットの飼育数は、猫987万4000匹、犬991万7000匹に達した。モンスターペアレンツがいれば、当然、モンスター飼い主も現れる。そうして“我が子”のかわいさを媒介に、犬&猫親たちが互いを格付けしあう、ペットの癒しとは対極にある現場をのぞいてみた
◆愛情はプライスレスじゃない!? 価格でマウンティングする人々
高額=偉い。わかりやすいが、どうにも悲しい成り金根性だ。
「近所のホームパーティに着飾ったトイプードルを随行した奥サマ。『お高そう!』と聞くと『でも、ウチのは50万円くらいだったかしら』と得意げだった」(46歳・教師)
金額と併せて、入手経路を誇る多層型のマウンティングもある。
「知人の愛犬(デカい)は50万近くしたとか。ブリーダーから特別に譲ってもらったそうで、『これでも安いほうなんです』とのこと。全然、安くねー」(39歳・商社)
一方、値段を聞いた飼い主が勝手に劣等感を抱える例もある。
「友達の猫が7万円したという話。自慢されたわけではないが、我が家のサバトラちゃんは元野良なので価格どころか子猫時代も知らない。帰宅してから、なんだか思わず抱きしめた」(32歳・保険)
そもそも生体販売自体疑問なのだが、その疑問も過剰になるとマウンティング化する。
「知り合いは本当に犬好きな人なのだが、愛が強すぎて、他の飼い主を許せなくなっている。シベリアンハスキー、チワワ、トイプードルなど流行犬の飼い主を見下すし、『真の愛犬家なら施設から引き取るべき』と公言してはばからない」(41歳・塾講師)
御説ごもっともだが、愛情を持って飼われてたら大目に見てあげても……。
◆人気種の価格ランキング
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※「コジマ」「Coo&RIKU」「JOKER」「P’s-first」「ぽちプラザ」全店調べ