上下関係に厳しい韓国でたびたび問題となるのが、先輩による行きすぎた後輩指導だ。韓国国内でもすでに食傷気味な話題ではあるが、実際、同様の事件がなくなる気配はまったくない。
3月8日にも釜山(プサン)で、キム容疑者(19)と、その後輩である2人の男子高校生(17)の間に起こったあまりにも陰湿な事件が発覚したばかりだ。
この3人は2年前に地元のビリヤード場で知り合い、意気投合。頻繁につるむようになった。しかし、良好な関係はキム容疑者が高校を卒業すると急変。進学も就職もできなかったキム容疑者は後輩たちを呼び出すと、パシリや窃盗などを強要したのだ。
キム容疑者の横暴に嫌気が差した後輩たちは、ウソの理由を作っては命令を拒否していたが、それが彼の怒りに火をつけた。キム容疑者は2人を夜の山に無理やり連れていき、「忠誠心を見せてみろ!」と、目の前でケンカをするように指示。ひとりが拒否すると、なんと登山路にあった汚物を舐めるように強要。それも拒否すると、殴る蹴るの暴行を加えた。それからおよそ4時間のもの間、キム容疑者の暴力は続き、この少年に全治3週間の重症を負わせたという。
キム容疑者のあまりにも非道な行為に、韓国ネット民は「釜山怖ぇ!」「バカだろ、こいつ」などと面白がる一方、「ガキだからといって、罪を軽くするからこうなるんだ。徹底的に処罰しろ」など、未成年の犯罪に対する対応へ疑問を呈する声も多く上がっている。
実際、韓国でも多くのメディアがこの事件を「危険な10代」と銘打って報道しているが、危険なのは10代だけではない。実は同日、韓国名門私立大学の大学院生による陰湿な後輩イジメも報じられている。
大学院の先輩であるB容疑者(32)は、事あるごとに後輩のC氏に暴力を振るっており、ゴルフクラブで殴ったり、便器に頭を押し込んで下水を飲むように強要したこともあったという。そんなA容疑者の悪行は、昨年10月、B氏の身体のアザに気づいた家族の通報によって発覚。御用となったのだ。
名門私大に通う30代でもこうなのだから、無職の19歳の蛮行も、決して「危険な10代」と一言でまとめられるものではないだろう。
あまりにもいびつなに韓国の上下関係。それにしても、昨年の人糞教授事件といい、韓国では汚物にまつわる陰湿な事件が多すぎる気がしてならない。