中国人旅行客による爆買いの対象商品がめまぐるしく変化するなか、温水洗浄便座の人気は一気に下降してしまったようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、温水洗浄便座の爆買い人気があっという間に衰えた理由について論じている。
記事はまず、温水洗浄便座の人気が衰えたと主張する根拠として、中国の簡易投稿サイト・微博(ウェイボー)上のコメントからトレンドを把握するサービスの分析結果を紹介。同結果から春節時に中国人旅行客が日本でどのような商品を購入したかがある程度分析できるとし、2015年の春節時に人気だった温水洗浄便座に関するコメント数は16年の春節時には一気に減少していたことが分かったと紹介した。
続けて、温水洗浄便座の人気が1年で衰えた理由を説明、それは温水洗浄便座はエアコンと同様に取り付けて初めて使用可能となるため、自分で取り付けるか、もしくは技術を持つ人にお金を払って依頼する必要が生じることにあると指摘。もし商品が家のトイレの規格に合わなければ、さらに必要な部品を購入する必要も生じる。また万が一故障したときも簡単に修理することはできない。
しかし中国で国産の温水洗浄便座を購入するならこうした手間や心配はすべて生じないと指摘。しかも温水洗浄便座は中国のどこでも手に入り、基本的な機能に大差はない。こうした現実を考慮すると、わざわざ日本で温水洗浄便座を購入する必要はまったくないことが分かると記事は説明している。
記事は、温水洗浄便座を日本で購入した後に生じる手間などが敬遠されるようになったとしているが、そのようなことはブームになる前から同様であり、今更といった感がある。恐らくは購入後に直面した現実的な問題に関するクチコミがインターネットを通してあっという間に広まったのだろう。中国の消費者はクチコミを重視するため、こうした問題を多くの中国人旅行客が認識し、そのため温水洗浄便座の人気はごく短い期間で下火になったと考えられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)