シングルモルトウイスキーも高級珍味も原価で。入場料さえ支払えばドリンクやフードを仕入れ値で味わえる「原価BAR」が今年で5周年を迎える。これを記念して、五反田/赤坂見附店が3月1日にリニューアルオープンした。
コンセプトは「国産×泡」。日本各地で生産する“泡の酒”や、それにマッチングした食を提供する。泡の酒というと真っ先にシャンパンを思い浮かべるだろうが、さにあらず。各種ビールから国産スパークリングワイン、ハイボールまで、メニューは実に多彩だ。その理由を尋ねると、原価BARを運営する株式会社ハイテンションの代表取締役・横山信夫氏は「独自の進化を遂げた泡のお酒は日本各地にある。ところが、おいしいのにあまり知られていないものも数多いんです。ぜひこの機会に知っていただけたら」と、意図を語ってくれた。
今回、原価BARを体験しようと訪れたのは五反田店の3階。このリニューアルに際して内装も一新し、通常営業の2階とはまた違った大人の雰囲気だ。黒&赤の壁と暖色系の照明で、合コンから女子会にも使えそう。
気になるメニューだが、まず驚きなのが品揃えの豊富さだ。昨今では価格を抑えた結果、品数が少なく効率化を求める店も少なくないが、原価BARではこの常識を覆している。ビールは、定番のピルスナー系から大阪の箕面(みのお)ビールや広島の宮島ビールといったクラフトビールまで取り揃え、ウイスキーは、高い評価で酒屋でも手に入りにくい国産シングルモルトも数多く用意。下手な居酒屋を凌駕する豊富さがうれしい。
そして、何といっても説明不要の価格。アサヒ・スーパードライは1杯180円、竹鶴ピュアモルトが1杯120円と、これなら肝臓の丈夫すぎる男性陣も気持ちよく酔っ払えるはず。
さらに、リニューアル店では、3月31日まで氷点下の新感覚フリージングハイボールがオールタイム10円で楽しめるキャンペーンを実施している。
10杯飲んでも100円って……。
そのほかにも、ヒトミワイナリーのワイン「カリブー にごりスパークリング2015」(ボトル1,900円)や、ビン内にスモークを閉じ込めフレーバーを高めた「スモーキング・ハイボール余市」(280円)など、初体験の酒も多いはずだ。
そして、料理だって負けてはいない。国産スパークリングワインで長時間煮込んだ「牛ほほ肉のスパークリング煮込み」(600円)は、“これぞ肉!”といわんばかりの迫力で、その量なんと400g!
また、塩麹にしっかり漬け込んだ「豚肉の塩麹ローストポーク」(500円)は、味わい深さもさることながら、特筆すべきはその柔らかさ。スッとナイフが吸い込まれ、こちらも400gながらどれだけでも口に入る。
つまみには宝石のような「たっぷりイクラのブルスケッタ」(500円)がおすすめだ。締めにロブスターの頭を丸ごと煮込んでスパイスを加えた「ロブスターヘッドカリー」(400円)を頬張るともう大満足。
さて感想だが、「ああ、胃袋がもうひとつあったなら……」のひと言につきる。正直言ってあれも食べたい、あ、これいっぺん飲んでみたかったんだよな、と後ろ髪を引かれる思いだ。
ズバリ断言するが、原価BARが会社&自宅の近所にあるなら、まずGIP CARDを購入すべき。GIP CARDは原価BAR各店の入店料が半年のあいだ半額になるカードで、価格は5,000円(税別)だが、月に1回ほど店を訪れればペイできるので断然お得。
ちなみに海外の人たちにもSNSなどで話題となり、自国では高額の「日本製のお酒」が低価格で飲めると静かなブームになっているとか。