コーヒー1杯1,000円! 高級喫茶店でバイトしてみた【20のバイトを渡り歩いた女の、体当たりバイト体験談】 | ニコニコニュース

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高校1年の15歳から20種類のバイトを渡り歩いた、私こと牧村朝子がお送りする体当たりなバイト体験談。今回はカフェ・喫茶店でのバイトについて、リアルな体験談をお送りします!

もくじ
★何をするの? どうすればなれるの?
★カフェ・喫茶店でのバイト体験談
★まとめ~ここが良い、こんな人が向いてる!

■何をするの? どうすればなれるの?

定番アルバイトの一つと言っていい、カフェや喫茶店でのお仕事。タウンワークでも、検索画面の「職種」欄から「飲食/フード」→「カフェ・喫茶店」を選択すると、さまざまなお店でのお仕事が見つかります(※リンク先は東京都のもの)。

好きなお店がある場合は、そのお店の名前でフリーワード検索してみるのもいいかもしれませんね。

私も色々なカフェや喫茶店でアルバイトしましたが、印象的だったのは派遣会社に紹介された高級な喫茶店のお仕事でした。ゴージャスな喫茶の舞台裏、今日はこっそりお話します!

■カフェ・喫茶店でのバイト体験談

「あら、あなた、ニューフェイス?」

窓際で微笑む銀髪のおばあさんの、その一言を私は一瞬理解できませんでした。

高い時給に惹かれて行った、都内の高級喫茶店。さすが、お客様がたもみなさんお上品な感じです。

「ニューフェイス」、新しい顔、つまり……新人!! なんとか推理した私は、「はい。さようでございます」と答えてみました。当時、20歳前後。「さようでございます」なんて日本語を使ったのはたぶんそれが初の経験です。

私は思いました。

■「異世界だ……」

びびりきった私はテーブルを片づけてキッチンに引っ込み、そしてさっそくグラスを割りました。

「失礼いたしましたー!!」

備品を壊した人リスト(そんなものがあるんです)に記入しながら私は、内心こう思っていました。

(よかった……壊したのが高級ティーセットとかじゃなくて……)

後で調べたところ、カップ一個で私の当時のアルバイト代2日分がぶっとぶくらいのブランドをお店で出していました。

き……きんちょうする……。

しかも、私をびびらせたのは、お客様のお上品さやティーカップの高級さだけではありませんでした。

■ケーキの名前もめちゃくちゃゴージャス

「タルト・オ・ポム・ルージュ」

「フロマージュ・ブラン・パシオ」

こんなふうに言われて、どんなケーキか想像できますか? これらはそれぞれ、わかりやすく言うとこういうことです。

「りんごタルト」

「チーズケーキ」

じゃあそう言ってよ!!!! って思いますけど、それはお客さまにとっても同じことのようでした。私がお客さまのところへケーキをお持ちすると、よく、こういう二度手間が発生していました。

「お待たせいたしました。タルト・オ・ポム・ルージュでございます」

「あら。おいしそう。ここに乗っているフルーツはなんですか」

「こちら、りんごでございます」

「まあ、りんごタルトね」

さようでございます!!!!

もう最初からりんごタルトと言いたくて仕方ありませんでしたが、そうもいきません。高級なお店ですから、コーヒーや紅茶や洋菓子に詳しいお客さまもいらっしゃるわけです。

■喫茶店マニア、襲来

私はカタカナの多いケーキの名前を覚えるので精一杯でしたが、時には喫茶店大好きのマニアなお客様にいろいろと教えていただくこともありました。たとえば、こんな感じです。

お客様「すみません、この、シブースト・ココっていうのは……」

私「はい」

お客様「見たところこれ、ココナツムースだけですよね?」

きた。きたこれ。私は、接客のために一生懸命覚えたケーキの説明文を唱え始めました。

「はい、さようでございます。こちらはタルトにココナツ・ラペを混ぜ込んだムースを合わせまして、クレーム・ブリュレ風に食感よくキャラメリゼし、ハニー・ジンジャー・コンフィチュールにマンゴーとグロゼイユのアクセントを加え、彩りにセルフィーユを添えた今季限定のお菓子でございます」

噛まなかった!!

BGMにはモーツァルトが流れていました。オシャレ。いま私、オシャレ。オシャレなお客様のオシャレタイムをオシャレに演出することに成功した喜びにふるえている私に、しかし次の瞬間、お客様はこうおっしゃったのです。

「じゃあそれ、シブーストじゃないじゃないですか!」

……

ええええええええええええ!?

「シブーストっていうのは普通、カスタードにメレンゲを合わせたシブーストクリームをですね……」

カタカナ多めでご説明くださるお客様のセリフを、それでも私は意地になって覚え直し、キッチンのパティシエさんに伝えたのでした。

カフェや喫茶店のお仕事は、飲食物だけでなく、その空間でお客様が気持ちよく過ごす時間をご提供することです。多くのお客様との出会いがありました。知らなかったこともたくさん教えて頂きました。

そうやってアルバイトが成長していくのを、もしかしたらお客様の方が見ていらっしゃるのかもしれません。常連だったあの銀髪のおばあさんは、私がこのアルバイトを卒業した後も、また新人に微笑んでこうおっしゃったのだと思います。

「あら、あなた、ニューフェイス?」

■まとめ

こんな人が向いてる!
・接客が好きな人
・喫茶店やカフェという空間、ぱりっとした制服にテンションが上がる人

ここがメリット!
・接客の基本マナーがしっかり身に着く
・きれいな敬語が覚えられる

※この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。

文:牧村朝子 企画:ガジェット通信

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