17日午前7時半ごろ、広島県東広島市の山陽自動車道下り線の八本松トンネル内で、車12台程度が絡む衝突事故が起きた。東広島市消防局などによると、うち5台から火災が発生、2人の死亡が確認された。同日午後までに煙を吸うなどした68人を病院に搬送したが、多くが軽傷とみられる。
死亡したのは、トンネル内にあった軽自動車から焼死体で発見された性別年齢不明の1人と、40〜50代ぐらいの女性1人。県警が現在、身元の確認を進めている。
同市の井野口病院によると、女性は心肺停止状態で搬送され、死亡が確認された。頭を打っていたとみられる。ほかに10人が煙を吸うなどして運ばれたが軽傷という。
東広島医療センターには、やけどを負うなどした24人が搬送された。さらに17人を受け入れる予定という。
県警や西日本高速道路などによると、同日午前4時すぎ、事故現場から5〜6キロ離れた場所で、大型貨物車の接触があった。50キロの速度規制が行われ、その影響でトンネル内でも渋滞が発生していたところに、後続のトラックが衝突したという。事故は広島方面に向かう下り線のトンネル出口から中に約200メートル入ったところで発生した。
事故直後にトンネル内から煙が上がったが、消防が消火活動に当たり、午前9時50分ごろに鎮火した。
国土交通省や県警によると、トンネルは全長844メートルで片側2車線。現場は緩やかな下りでほぼ直線という。1988年に開通し、火災検知器は設置されているが、スプリンクラーはなかった。1日当たりの通行量は上下線合わせて約4万7000台。