法務省の人権擁護機関は3月18日、2015年に人権侵害の疑いで行った相談/調査のうち、インターネット上の投稿や書き込みによるものが1736件と、前年比21.5%増の過去最多となったと発表した。プライバシー侵害と名誉毀損で88%を占めている。
人権侵害事案全体は2万999件で、前年から719件減少。ネット上の人権侵害に加え、パワハラなど労働権に関するもの(2488件、前年比10.8%増)、学校におけるいじめに関するもの(3883件、3.2%増)の増加が目立つ。
ネット上で認められた事案1736件の内訳は、プライバシー侵害が1041件(40.9%増)、名誉毀損が485件(40.6%増)となっており、両事案で88%を占めた。
被害相談を受け、削除依頼方法の助言などの行動支援にとどまらず、特に悪質なケースとして法務局がプロバイダに対応を求めた件数は214件にのぼった。具体的な対応事例としては、宿泊施設の脱衣所で着替えている写真のブログへの無断掲載、個人を特定できる中傷的な書き込み、掲示板管理者に名誉を毀損する内容の削除に応じてもらえない――などが上がっている。