かつて中国は経済や文化など、さまざまな点で日本を圧倒していた。遣隋使や遣唐使の存在から分かるとおり、日本は先進的だった中国に学び続けてきたが、近代においては日本が中国を圧倒するようになった。中国メディアの捜狐は13日、この100年で日本と中国の立場が逆転した理由について分析、それは西洋文化の「学び方の違い」が決定的な要因だと論じている。
記事は19世紀の中国と日本で非常に似通った一連の出来事が生じたことを説明。中国は海禁によって、また日本は鎖国によって貿易を制限していたが、中国はアヘン戦争敗北により海禁を終了させられ、日本は米国海軍マシュー・ペリーの黒船来航により開国を余儀なくされた。
似ているのはそれだけではない。アロー戦争にも敗れた中国は国力増強の必要性を認識、西洋文明を導入すべく「洋務運動」を開始する。また日本は「明治維新」をもって富国強兵を目指した。つまり19世紀は日中のどちらも西洋文明との力の差を痛感し、西洋文明から学んで自国を成長させようとした時代だった。
しかし記事は洋務運動と明治維新には決定的な違いがあったと説明。中国は大国としてのプライドが高すぎたために国家を全面的に改革することはせず、ただ西洋の武器を購入するなど表面的な運動にとどまったと指摘。逆に日本には小さな島国として「強烈な危機感」があったため、国家の様々な領域に西洋文明を「全面的に移植した」とし、出遅れた封建社会から近代化された強国へと一瞬で変化したと論じた。
両国の心の状態においてプライドと強烈な危機感という大きな違いがあったということだが、記事はまた啓蒙思想家である福沢諭吉の功績にも言及。その功績とは西洋文明を「心、政令、物」の順番で学ぶよう日本人を教えたことだという。しかし中国は「物、政令、心」の順で学ぼうとしたために失敗、その結果、日本と中国との力の差は日清戦争で明らかになったとし、この時、日本が中国を逆転したことが明らかになったと論じた。
現在、軍事力においては中国が日本を圧倒していると記事は説明、それでも文化面で日本が世界に与えている影響は中国文化が世界に与える影響をはるかに超えていると記事は論じている。それはひとえに謙虚さやまず心あるいは考え方を学ぼうとする日本の態度がもたらしたものだと分析。逆に中国はいまだに洋務運動のような表面的な学び方をしていると指摘した。
記事が論じるところによれば古代において中国は日本を圧倒していたが、学び方の違いが文化力に大きな差を生じさせ、日本に逆転を許したということだ。しかしこれは現代の日本にとっても教訓また警告となるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)