アイドルグループ・NEWSがMCを務めるテレビ番組『変ラボ』(日本テレビ系 毎週木曜日 深夜0時59分~)が、4月8日からレギュラー化されることが決定した。現在、ソロで多岐にわたって活躍するNEWSは、グループとしても成熟期を迎えているが、その陰に苦難の歴史があったことは誰もが知るところ。相次ぐ主力メンバー脱退から存続すら危ぶまれたNEWSが、なぜ不死鳥のような復活劇をみせることができたのか?
“視聴者”目線のNEWS・小山慶一郎、キャスターとしての高い支持率
◆個々の多岐にわたる活躍がNEWSとしても見事に還元
NEWSは、2003年の結成時には9人の大所帯だった。2011年に山下智久、錦戸亮のWエースが脱退した時は、誰もがその存続を危ぶんだ。しかし2016年の今、本業である音楽も、1月20日発売のシングル「ヒカリノシズク/Touch」が初週で14.8万枚を売り上げ、連続19作シングル1位を獲得。これは、KinKi Kidsの35作連続、KAT‐TUNの24作連続に次ぐ歴代3位の記録である。
そのNEWSのリーダー・小山慶一郎は、2014年1月から報道情報番組『news every.』(同系)でメインキャスターを務めている。滑舌のよさやニュース原稿読みの上手さなど、アナウンス技術は“プロ以上”との評価を受ける一方、現場対応力も高く、低姿勢ながら体当たり取材も果敢にこなす。本人も「キャスターをやって言葉を伝えるということは前より勉強してきたつもり。これをNEWSにも還元できるように頑張ります」と言うように、仕事への意識も非常に高い。
手越祐也は『世界の果てまでイッテQ!』(同系)などで、アイドルにもかかわらず芸人顔負けの“体張り芸”を見せ、バラエティでもその“存在感”をアピールしている。また、得意のサッカーの知識を活かし、『サッカーアース』(同系)のMCほか、『サッカーW杯ブラジル大会』や『FIFAクラブワールドカップジャパン』のメインキャスターも務めている。先日放送された『イッテQ!』の10周年特番では、番組開始当初の“グダグダ&たどたどしい”レポートぶりを振り返り爆笑を買ったが、逆に言えば、この10年間で手越がどれだけ努力&成長してきたかの証明とも言えるのである。 そして、持ち前の“王子様”キャラでさえ、今では一周回って「手越なら許される」状態にまでなっている。普通ならマイナスになりかねないようなことでもプラスにし、独自の立ち位置を確立しているのだ。
加藤シゲアキは、2012年に「ピンクとグレー」でジャニーズのタレントとしては初の小説家デビューを果たし、今年1月には映画化もされた。現在、情報番組『白熱ライブビビット』(TBS系)でも大活躍。また小山と加藤によるレギュラー番組『NEWSな2人』(TBS系 金曜 深夜0時50分)が、4月22日よりスタートする。「ニュースにならないデモ」をテーマにしたテレビ史上初の怒りの“デモバラエティ”では、日本に対し怒りや不安を抱えている若者たちと熱く向き合う。一方の増田貴久は手越とともに“テゴマス”で活動する一方、『水曜歌謡祭』(フジテレビ系)などで抜群の歌唱力を披露。NEWSのコンサートツアーでは、着用する衣装のデザインやスタイリングを担当するなど、クリエイティブな能力を発揮している。
◆4人が結集することで、“新たなグループアイドルの形”への期待も
「NEWSは、メンバーのソロ活動がグループにうまく還元されている代表格のアイドルグループと言っていいでしょう。グループ内での人気もそれぞれが甲乙つけがたい。しいて人気で言えば手越君かもしれませんが、これだけ各メンバーの人気と実力が伯仲しているグループもない。普通、各メンバーが他分野で活躍し出すと、グループとしては空洞化していく場合が多いのですが、NEWSの結束力はほかに類を見ないでしょう」(バラエティ番組制作会社スタッフ)
今年初めのSMAPの一連の騒動について、小山は『news every.』で「12年NEWSというグループで活動してきて、メンバーの脱退などもあり、いく度もその形を変えてきたんですね。グループで芸能活動をしていく上では、何度も何度も話し合いが必要になる」と、深みのあるコメントを残している。この小山の言葉からもうかがえるように、何度もグループの苦難を乗り越え、それぞれメンバーが相応の努力を積み重ねてきた結果として、今のNEWSの“全盛期”がある。4人がピンで活躍すると同時に、この4人が結集することによる“新たなグループアイドルの形”への期待も高まる。
4月からレギュラー化される『変ラボ』では、これまでにNEWSのメンバーがそれぞれに培ってきた実績を活かし、体当たり的な“珍実験”を通して、さらにレベルアップしたエンタテイナーとしての姿を見せてくれるだろう。そして各メンバーの長所である才能が化学反応を起こし、ソフトなエンタテインメントから硬派の報道・情報企画まで、NEWSならではの番組が確立されれば、深夜からゴールデンへの進出も十分にありえる。そうした意味でも、困難を乗り越え新たなスタイルを提示してきたグループアイドル・NEWSが、さらに“進化”することは、彼らの“使命”なのかもしれない。