前回のカニパンに続き、韓国の珍スウィーツをご紹介。こちらリアルな形が目をひく「韓牛パン」。日本のたい焼き(韓国では「ふなパン」と呼ばれる)のように、焼き上げた生地の中にアンコやジャムが入っていると聞けばよくあるお菓子のようだが、いやはやそんな生ぬるいものではない。ポイントはその立地にある。
この牛パンを開発・販売する、10坪にも満たないかわいらしいコーヒーショップ「ハウルカフェ」、なんと牛肉をその場でさばき販売する畜産物市場に位置するのだ。
ピンクのライトがまぶしい店頭には、新鮮な生肉、バケツに入った何かの部位が並び、奥には形あらわな枝肉がぶら下がる。道にはリアカーで山盛りの内臓を運搬するおじさんが行き来し、道の脇には重そうな何かが詰まった袋が積まれていることも。
市場内に漂う生肉の匂いをたくさん吸って、命をいただくありがたさを実感した後は、韓牛パンのお店へゴーだ。
味はチョコ、あんこ&クルミ、あんこ&クリームチーズ、ブルーベリージャム&クリームチーズ、ソーセージの5種類。全部注文した記者は順番にひとつずつ食べてみようと試みるが、迷ったのはどうやって食べるかだ。
首からがぶりとやればいいのか、おしりからもふりとやればいいのか? いやいや腹から食べるのが礼儀かもしれないぞ。迷った挙句、ひとまず半分に割ってみたが、割るという行為が追加されたことで余計に残虐性が増したような気分。
どうしてこんなリアルな形にしたんですか? と店長に聞くと、「キャラクターものは幼稚だから」というお答え。ちなみに焼き型もわざわざ特注したという。
最後に食べたのはソーセージ。牛の真ん中に1本のソーセージがずどんと収まっており、ホットドッグ好きの私としては一番のおすすめだ。味もいちばん牛っぽい。
韓国旅行では焼肉を、という方は多いだろうが、真の牛好きなら馬場畜産物市場と韓牛パンも、ぜひとも体験してほしいところである。